新陳代謝の促進とともに甲状腺ホルモンを分泌するのが甲状腺の役割です。
しかし、甲状腺の異常により抜け毛と甲状腺疾患が同時に発症するケースもあります
今回は、その「抜け毛と甲状腺疾患との関係性」について解説していきます。
甲状腺の疾患と抜け毛の関係
甲状腺疾患とは、甲状腺の働きが低下し甲状腺ホルモンの分泌が減ることで症状を引き起こす疾患で、特に30〜60歳代女性に多く見られます。
甲状腺ホルモンとは、簡潔に表すと「やる気を出す」ホルモンなのですが分泌量が低下すると全身の倦怠感を生じさせます。
また、自己免疫疾患である「橋本病」「バセドウ病」と同様に、脱毛症は発症確率の高い自己免疫疾患のため関連が高いのも当然なのです。
甲状腺機能低下によって生じた抜け毛は「休止期脱毛」に分類され、特徴として「細く乾燥した髪の毛」になるといわれています。
甲状腺の疾患で抜け毛の可能性がある病気
抜け毛と合併しやすいとされる、主な甲状腺疾患として挙げられるものは2つです。
- 橋本病(甲状腺機能低下症)
- バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
40歳以上の女性では橋本病が多く、20代~40代の女性によく見られるのがバセドウ病といった傾向があります。
橋本病
橋本病による甲状腺機能の低下は、甲状腺ホルモンの分泌を下げてしまいます。
そのホルモン減少により、以下のような症状が現れるようになります。
・極度の疲労感 | ・寒気を感じる | ・体温の低下 | ・むくみ | ・甲状腺腫大 |
・ のどの違和感 | ・無気力 | ・食欲減退 | ・便秘 | ・乾燥肌 |
・脱毛 | ・肩こり | ・筋力が落ちる | ・月経不順 | ・コレステロールの上昇 |
・肝機能障害 | ・貧血 |
以上のような症状が現れた場合は注意してください。
通常、甲状腺機能に異常がなければ治療の必要は原則的にないとされていますが、甲状腺機能低下症が見受けられる場合は薬物治療を行います。
バセドウ病
バセドウ病は、橋本病の逆で甲状腺ホルモンが過剰分泌されることによって新陳代謝に異常をきたすことで下記の症状が出てきます。
・極度の疲労感 | ・暑さを感じる | ・ 微熱 | ・眼球突出 | ・甲状腺腫大 |
・怒りの感情を感じやすい | ・集中力が下がる | ・不眠症 | ・動悸 | ・息切れ |
・ むくみ | ・口内の乾燥 | ・発汗 | ・脱毛 | ・かゆみ |
・筋力減退 | ・月経不順 | ・血圧の上昇 | ・肝機能障害 |
治療法としては、抗甲状腺剤(甲状腺ホルモンの分泌の抑制)という薬剤を使用します。
バセドウ病も同じく自己免疫機能の異常が原因となるため、脱毛症を引き起こすので注意が必要です。
甲状腺疾患とその抜け毛の原因
AGA(男性型脱毛症)では頭頂部から髪が薄くなります。
しかし急激に抜け落ちてしまうことも多く見られます。
その原因として考えられるのは、自己免疫の異常になります。
免疫が髪の毛の製造所である「毛包」という器官を異物と認識し攻撃してしまうのです。
前述した通り、橋本病やバセドウ病も自己免疫の異常が原因と考えられ、免疫が甲状腺を異物とみなして攻撃することで発症します。
つまり原因が類似しているため、この2つの病気と脱毛症が合併しやすいと考えられているのです。
甲状腺疾患とその抜け毛は治る?
「橋本病」「バセドウ病」はいずれも甲状腺のホルモン分泌が減退している、もしくは過剰分泌されていることが原因です。
つまり、甲状腺機能の異常による脱毛であれば、不足した甲状腺ホルモンを補うなどの薬物治療によって改善できる可能性があります。
甲状腺疾患とその抜け毛の治療
主な治療法として、日本皮膚科学会の「抜け毛診療ガイドライン2017年版」によると推奨度Bの3種類の治療法を推奨しております。
- ステロイド局所注射療法
- ステロイド外用療法
- 局所免疫療法
ステロイドには免疫を抑える効果があり、注射によって直接幹部に注入する方法と、皮膚に塗布する方法があります。
局所免疫療法は、特殊な物質SADBEやDPCPを塗布することで治療をしていきます。
治療の方針は、脱毛範囲の広さや症状の重さで判断されます。
甲状腺疾患と ハゲ(抜け毛)のまとめ
自己免疫の異常によって引き起こされる、脱毛と甲状腺疾患には高い関連性があります。
しかし甲状腺機能の異常による脱毛であれば、薬物治療によって改善する可能性も高いのです。
少しでも気になる症状がある場合は、一人で悩まずに医師にご相談ください。
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