脂漏性皮膚炎の薬として使われる「ケトコナゾール」ですが、その作用や効果はどのようなものなのでしょうか?今回は「ケトコナゾール」について解説します。
ケトコナゾール (抗真菌薬)の効果とは?
ケトコナゾールは「抗真菌(カビ)薬」として使われる薬です。
カンジダ症、白癬、いんきんたむし、水虫などが真菌によって起こる症状の代表例です。ケトコナゾールは、免疫が弱っている患者さんがこのような感染症にならないために使用されます。
ケトコナゾールは「脂漏性皮膚炎」という症状の治療薬として使われていましたが、近年では薄毛治療にも効果があることも分かってきています。
ケトコナゾール (抗真菌薬)と脂漏性皮膚炎
ケトコナゾールは真菌に効果があるとされていますが、「脂漏性皮膚炎」という頭皮に炎症に使用されます。脂漏性皮膚炎とは、フケや赤みが頭皮に現れ、かゆみなどが起こる炎症です。脂漏性皮膚炎の原因はいくつかありますが、真菌のマラセチア菌もその原因のひとつです。
ケトコナゾールはこのマラセチア菌を取り除くことで、頭皮の状態を改善させ、抜け毛や薄毛を予防するために使われます。
ちなみに成人が脂漏性皮膚炎を発症すると治りにくいとされているため、早めな治療が肝心な症状でもあります。
ケトコナゾール (抗真菌薬)とAGA
AGA治療には直接使用されていなかったケトコナゾールですが、最近AGAの原因物質の1つである5αリダクターゼ(酵素)の抑制作用があることが分かってきました。
これにより、ケトコナゾールと他の治療薬を併用した治療法も考えられています。
ケトコナゾール (抗真菌薬)の副作用
ケトコナゾールの副作用ですが、薬による炎症がメインです。具体的には、以下の副作用の可能性があります。
- 患部がかぶれる
- 患部が熱を含む
- 患部がしみる
- 患部が赤くなる
ただこのような副作用の発生率は非常に低いので、そこまで神経質になる必要もないでしょう。
ケトコナゾール (抗真菌薬)の注意点
処方箋が必要
ケトコナゾールは医薬品なので基本的には医師の処方箋が必要です(ケトコナゾールの含有量が1%以上)。したがって、一般のドラッグストアなどでは購入できません。
必ず専門のクリニックなど受診するようにしてください。
直接の発毛作用があるわけではない
ケトコナゾールは脂漏性皮膚炎を改善することによる抜け毛防止や、5αリダクターゼの抑制効果がありますが、これはどちらも脱毛予防にあたります。
もし発毛を考える場合は、ミノキシジルなどのAGA治療薬などの使用を考えてもいいでしょう。ただし、担当医と相談の上決めるようにしてください。
使用に注意が必要な人
妊娠中や授乳中の女性は、基本的にケトコナゾールの使用ができません。また以前ケトコナゾールでアレルギー反応が出た方や、他に薬を使っている方は、その旨をしっかりと医師に伝えましょう。
ケトコナゾール (抗真菌薬)のシャンプーやローション
ケトコナゾールでの治療はシャンプーやローションを使ったものも多いです。処方箋は必要なものの気軽に使えるため、人気があります。
使い方は、シャンプーによって異なるのでよく説明を読むようにしましょう。基本的には毎日の使用ではなく、週に2〜3回使うものが多いです。
ケトコナゾール (抗真菌薬)の使用は医師に相談しよう
脂漏性皮膚炎に効果があるとされるケトコナゾールですが、AGAの抑制にも効果があることが分かってきました。使用方法も週に数回のシャンプーをするだけなので、手軽です。
ただ医薬品であり、副作用などの心配もあるため、使用の際は必ず医師との相談の上で行いましょう。
クリスタル美容外科では無料相談も行っております。お気軽にお問合せください。