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【医師が教えるAGA治療】デュタステリド (ザガーロ) の副作用や注意点

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AGA治療薬として高い効果があるとされるデュタステリド。今回はそんなデュタステリドの副作用や注意点を解説します。

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 デュタステリド (ザガーロ)とは?

デュタステリド(ザガーロ)とは、2015年9月28日厚生労働省から製造販売承認された男性型脱毛症(AGA)に対してグラクソスミス・クライン株式会社が開発したカプセル型の薬です。

”デュタステリド=成分”、”ザガーロ=薬の名称”です。デュタステリドと似たような成分として、フィナステリドというものもあります。

この内服薬は男性型脱毛症(AGA)にも効能があることが実証されており、男性の薄毛治療で幅広く使用されています。

ただ女性の脱毛や円形脱毛症には効果がないといわれています。また、未成年や子どもは対象外となっています。

詳しくは、こちらをどうぞ。

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 デュタステリド (ザガーロ)の効果

AGAは、5αリダクターゼという物質と男性ホルモン(テストステロン)が結合することで、ジハイドロテストロンが生成され発症、進行します。

デュタステリドは、5αリダクターゼを抑え、ジハイドロテストロンの生成をコントロールすることでAGAを抑制します。

5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型がありますが、デュタステリドはこの両方に働きかけます。

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 デュタステリド (ザガーロ)の副作用が起こる確率

ザガーロの副作用の発現確率ですが、グラクソスミス・クライン株式会社の医薬品インタビューフォームには以下のように示されてます。

第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験において、本剤が投与された総症例 557例(日本人 120 例を含む)中、95 例(17.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。

その主なものは、勃起不全 24 例(4.3%)、リビドー減退 22 例(3.9%)、精液量減少 7 例(1.3%)であった

副作用の発現確率は17.1%と、フィナステリドに比べると高い割合となっています。

フィナステリドと比べると効果が高いと言われるデュタステリドですが、副作用の面ではフィナステリドの方が安心です。

 デュタステリド (ザガーロ)の副作用

 初期脱毛

デュタステリドでのAGA治療を開始後、初期の段階で抜け毛が増加してしまいます。これは副作用ではなく、薬が効いている証拠です。

AGAが発症しているとそのヘアサイクルが短縮されたり、リズムが不安定になると十分な成長ができず不完全な毛髪が生成されるため薄毛が進行しますが、デュタステリドはこのヘアサイクルを整えます。

なので初期脱毛が起こっても、心配はいりません。

 性欲減退や勃起機能障害(ED)

副作用の高い割合を占めるものが、性機能障害です。臨床試験においてもっとも多かったのが勃起不全で4.3%で、リビドー減退(性欲減退)が5.8%となっています。

もしこの様な症状が出たらすぐに医師に相談しましょう。

 精液減少・射精障害

臨床試験において、精液量減少は1.3%、射精障害は1.7%です。フィナステリドにも同じような副作用が見られていますが、やや高い発生頻度となっています。

男性機能に関わるもののため、子供を持つ場合は、妊娠に至ってから治療を始めるという方法か、一時的に服用を休止しましょう。

 女性化乳房

デュタステリドの副作用として1%未満の確率で発現する女性化乳房が挙げられます。

これは女性のように胸が大きくなる症状です。 その原因は男性の中にも女性ホルモンが存在しており、薬によってホルモンバランスが影響を受けるからと考えられます。

 肝機能障害

デュタステリドでの副作用の中に肝機能障害(頻度不明))も挙げられます。

ザガーロは肝臓で代謝されAST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害に陥る可能性があるからです。

もともと肝臓に負担があり肝機能障害を患っている方は、医師に必ずその旨を伝えましょう。

 前立腺がんや糖尿病のリスクも

アメリカの食品医薬品局(FDA)ではこの薬に、前立腺がんの発生するリスクが高いとの警告を発しています。

ただ、悪影響があるかどうかについての確証についてはまだはっきりしていない状況です。

糖尿病の可能性なども報告されていますが、まだまだ検証が必要とされております。

 ポストフィナステリドシンドローム

服用中に性機能が低下するポストフィナステリドシンドロームですがデュタステリドでも同様の事象が起こることも考えられますが、現在は詳細ははっきりとは分かっていません。

もし投薬中止後でも、副作用が続くようなら医師に相談しましょう。

 デュタステリド (ザガーロ)の副作用以外の注意点

 女性は服用できない|子供への影響

ザガーロは女性の薄毛への効果については認められていません。それだけでなく、仮に妊娠中に服用した場合、胎児の生殖器官など悪影響を及ぼす可能性があるので、女性は飲まないように気をつけましょう。

また、薬品に触れることで肌からも吸収されるため、直接触れることも避ける必要があるので置く場所にも注意が必要になります。 

 肝機能に異常がある場合

肝機能に異常がある場合は安全性や有効性は認められておりませんのでご注意ください。医師に相談し判断を仰ぐことが大切です。治療の際に検査などが必要な場合があります。

 禁忌

  1. 男性ホルモンに対して作用する薬なので女性・妊婦・産婦・授乳婦などは処方できません。
  2. 小児など(薬は未成年には処方できません)
  3. 肝機能に影響を与えるおそれがあるため、重度の肝機能障害のある人
  4. 薬は肌からも吸収されるため、薬のかけらを素手で拾う行為は絶対に避けてください。

 献血は控えよう

服用中は輸血、献血ができません。また血中濃度が下がるまでに一定の時間が必要です。

ザガーロの成分が体外に排出されるまでには12~20週間程度の時間がかかるとされており、献血のため服用を止める場合はこの期間を目安にしましょう。

また、血中濃度の数値が正常に戻るには約6カ月の時間がかかることも知っておきましょう。

 デュタステリド (ザガーロ)を服用してはいけない人

同じ成分を服用している人

デュタステリドは、フィナステリドと一緒に服用はできません。どちらか一方だけでAGAを治療していきます。

女性、小児

妊娠初期の女性が服用すると、胎児の性機能に悪影響が及ぶ可能性があります。また、小児に対しても安全性が確立されていないため保管場所にも配慮が必要です。

過去にデュタステリド、ステロイドの服用により副作用があった方

過去にデュタステリドやステロイドで過去に副作用が現れた場合は、服用できません。

重度の肝機能障害のある方

重度の肝機能障害があると代謝するのが難しいため、副作用が強く現れる恐れが出てきます。そのため、重度の肝機能障害には服用できません。

 デュタステリド (ザガーロ)の使用は慎重に

今回は、デュタステリドの効果や副作用や注意点などについてご紹介しました。発毛効果も高いデュタステリドですが、副作用も考慮して服用を決めましょう。

同じくAGA治療薬として使われるフィナステリド(プロペシア)も、AGAの治療薬としてとても有用です。

まずは、自分の体質や状況に適しているかどうか、医師に確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

クリスタル美容外科では、AGA治療の無料相談を行っています。まずは気軽にお問合せください。

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監修 : 米虫 隆貴 こめむし たかよし
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