薄毛が気になっている方のなかには、なんとなく亜鉛が必要な栄養素と知っている方も多いのではないでしょうか?
人の筋肉、骨などのように髪の毛も栄養素の不足が原因となり衰えてしまいます。そして、その栄養素の中でも重要なのが亜鉛です。
この記事では「亜鉛と薄毛の関係性、その亜鉛の持つ効果」などをご紹介します。
亜鉛がはげ(抜け毛)を抑制できるって本当?
結論、亜鉛を摂取したからといって、必ず抜け毛が収まるというわけではありませんが、髪の発育には必須の成分です。
髪の毛は細胞分裂によって作り出されます。亜鉛はミネラルのひとつで、細胞を分裂させるときに欠かすことのできない栄養素なのです。
つまり亜鉛が不足するということは、新しい髪の毛を作り出せずに薄毛になるということにつながるのです。
また、亜鉛は脱毛ホルモンと呼ばれる「ジヒドロテストステロン(DHT)」を増殖させる「5αリダクターゼ酵素」を抑制し、脱毛ホルモンを抑制する効果もあります。
亜鉛ってそもそもなに?
体内に亜鉛は約2,000㎎あるといわれています。これらは体の多くの部位に含まれており、歯や骨、肝臓、腎臓、筋肉などがその主な部位となります。
亜鉛は、必須ミネラルとして体への重要な役目を持っています。数百種類の酵素タンパク質の構成要素で、酵素反応の活性化といった役割があります。またホルモンのコントロールや、DNAやタンパク質の合成にも寄与し、最近では免疫にもいい影響をもたらすことが分かっています。
このように亜鉛は非常に重要な栄養素であるため、不足してしまうと体へ様々な支障をきたします。
亜鉛の働きや効果は?
具体的にどんな効果があるのでしょうか?
亜鉛は、皮膚や髪の生成も行うなど健康維持に重要な栄養素です。タンパク質を髪の毛に変える働きも持ち合わせており、健康な毛髪の生成を助けます。
それ以外にも、新陳代謝に大切な亜鉛は、子供が成長する時期にも欠かすことができません。
もしもこの時期に不足してしまうと、子供の成長が阻害されてしまう恐れがあります。
また「味蕾(みらい)」という味覚を感じるために必要な、味細胞を活性化させる役割も持ち合わせています。
亜鉛の吸収率
亜鉛は、基本的に小腸で30%が吸収されます。ただこれは、同時に摂取した鉄分や銅の量、亜鉛の摂取量自体などでその吸収率も変化していきます。
消化された亜鉛は、「アミノ酸、有機酸、リン酸」などと複合体を形成し、吸収されるのです。
亜鉛がはげ(抜け毛)にいい理由
ケラチンを合成してくれる
ケラチンとは、アミノ酸をもとに生成されます。そして、このケラチンは髪の毛を構成する主成分となるのです。
また、亜鉛はそのケラチンを合成する重要な役目も持っています。
つまり、亜鉛が不足している状態では、いくらタンパク質を摂取してもケラチンが生成されないということになります。
食生活を改善しても薄毛が治らないときは、亜鉛不足の可能性があるかもしれません。
酵素「5αリダクターゼ」の抑制
亜鉛には、脱毛ホルモンとも呼ばれる「ジヒドロテストステロン(DHT)」の活動を阻害してくれる作用があります。
男性ホルモンのテストステロンは、5αリダクターゼ酵素と結合しDHTへと変化してしまいます。
DHTになると脱毛のシグナルを頭皮の細胞に送り、ヘアサイクルのリズムを崩してしまうのです。
亜鉛は、その5αリダクターゼ酵素を抑制する働きが備わっているので、ヘアサイクルの乱れにも対処してくれるのです。
亜鉛がはげ(抜け毛)を抑制するための適量は?
亜鉛の1日の適量って?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」による情報では、推奨される1日の亜鉛摂取量は、成人男性で10mg、成人女性で8mgとされています。
1日に100㎎を超える量を毎日摂取した場合など、過剰摂取が長期間続くと、嘔吐、脱水症状、発熱、倦怠感などの亜鉛中毒を引き起こすため要注意です。
亜鉛は摂りすぎると危険!!
亜鉛は、髪の毛の成長にとても重要な役割を持ちますが、過剰な量を摂取することにより人体に様々な悪影響を及ぼします。
- 胃腸障害
- めまい
- 吐き気
- 神経障害
効果的だからと過剰に摂取すると、返って体を悪くする可能性があるので注意してください。
亜鉛が不足した時に起こる症状とは?
上述した通り、不足してしまうことも危険です。
下記に不足時の主な症状をまとめましたので参考にして下さい。
- 子供の成長障害
- 不妊
- 皮膚の炎症
- 髪のツヤがなくなる
- 免疫低下
- 味覚障害
- 精神障害
摂取量の調節は難しいかもしれませんが、適性量を摂取できるように心がけてみてください。
亜鉛の吸収率を上げるには
次に、亜鉛の吸収率を上げるための方法をご紹介いたします。
食品による摂取、他の栄養素との組み合わせなどで効率よく吸収することができますので、参考になさってください。
亜鉛を含む食品
- 牡蠣:生牡蠣100gあたり、亜鉛が13.2mg
- レバー:豚レバー100gあたり、6.9mg
- 牛肉:100gあたり、肩肉は4.9mg程度(部位ごとに多少の違いあり)
- 卵黄:卵黄100gあたり、4.2mg
- 煮干し:100gあたり、7.2mg
- 松の実:100gあたり、6mg
- ピュアココア:100gあたり、7mg
タンパク質も一緒に摂取
上述した通り、亜鉛を毎日摂取したとしても、たんぱく質が不足していては健康な髪が生えることはありません。
タンパク質は、髪、皮膚、内臓の材料であり、亜鉛はそれをもとに組み立てていく役目を持っているのです。
つまり両者が同時に働き合わなければ、亜鉛を生かすことができないのです。
クエン酸やビタミンCを同時に摂取
亜鉛は、クエン酸とビタミンCと同時に摂ることで吸収率が3割ほど増えるといわれています。
そのため飲食店で食べる「牡蠣とレモン」の組み合わせは、健康面から見ても最適な組み合わせなのです。
可能であれば、柑橘系のものと亜鉛を一緒に摂取するのが望ましいです。
亜鉛の吸収率を妨げる成分
フィチン酸
フィチン酸は、穀物や豆類の食品に含まれています。
しかし亜鉛との相性が悪く、亜鉛の吸収率を下げてしまいます。
つまりこのフィチンは、亜鉛摂取時には避けたほうがいいので、発酵させる、一晩水につけるなどして取り除くほうが良いでしょう。
食物繊維
食物繊維の摂取=全ての亜鉛の吸収を妨げるというわけではありません。
穀物類と海藻類の食物繊維の摂取のみに注意しましょう。また、摂り過ぎず適切な量でしたら問題はありません。
タンニン
主にコーヒー、紅茶、緑茶に含まれており、渋みを感じさせるのがタンニンという成分です。
タンニンはポリフェノールの一種で、抗菌や抗酸化作用などプラスの影響はあります。
しかし、たくさん摂取するとミネラルとの相性が悪く、吸収を阻害してしまうので注意が必要です。
亜鉛と薄毛の関係まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまで薄毛と亜鉛の関係性、またその効果について解説してきました。
亜鉛を適正量摂取することで、皮膚、内臓、髪、歯、骨、にも良い影響を与えることができますし、脱毛予防にもつながります。
薄毛の悩みがひとつでも解決できるよう、クリスタル美容外科は全力でサポートしていきますので、ぜひお気軽にご相談ください。