AGAの原因物質とされるDHT (ジヒドロテストステロン)。この物質が生成されることで、薄毛になるとはどういうことでしょうか？今回は、DHT (ジヒドロテストステロン)をわかりやすく解説していきます。
DHT (ジヒドロテストステロン)とは？その作用は？
DHT（ジヒドロテストステロン）とはホルモンの一種で、男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼが結合することにより生まれるホルモンです。
このジヒドロテストステロンは、はっきりとは解明されてはいないものの、男性外生殖器の形成や脳の記憶機能にいい影響を与えるとされています。
参考：脳海馬で合成される男性・女性ホルモンは記憶力を増強する
ただ一方で、ジヒドロテストステロンが増加するとニキビや前立腺肥大化、そしてAGAに大きな影響を与えてしまうことも分かっています。
必要なホルモンではあるものの、薄毛や抜け毛が気になる方はしっかりと対処することが大事になります。
テストステロンとは
テストステロンとは男性ホルモンの一種で、1言でいうと「男性らしさ」を司るホルモンと言えるでしょう。具体的には、筋肉量や男性機能、さらに集中力やメタボリック症候群にまでに影響し、男性にとってはなくてはならないホルモンです。
テストステロンは男性ホルモンとは言われているものの、女性でも少量ですが分泌されます。
このテストステロンが減少すると、過度な疲労感や性機能の低下、さらに集中力が低下したり抑うつ状態になりやすなると言われています。テストステロンが減少する原因としては、加齢や生活習慣が挙げられます。
テストステロンが減少することで起こる症状は「男性の更年期症状」とも言われることもあります。この減少が過度に進むと、加齢性腺機能低下症（LOH症候群）の可能性も出てきます。
DHT（ジヒドロテストステロン）とAGAの関係
では、ジヒドロテストステロンはどの様にAGAに影響をもたらすのでしょうか？
AGAは発症の流れは以下になります。
- テストステロンと5αリダクターゼが結合
- DHT（ジヒドロテストステロン）が生成
- DHT（ジヒドロテストステロン）男性ホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）と結合
- 脱毛因子（TGF-β）を生成
- ヘアサイクルが乱れる
- ヘアサイクルの成長期が短縮され、AGAが進行
ジヒドロテストステロンが生成されると、毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）と結合し、脱毛因子（TGF-β）を生み出します。
この脱毛因子（TGF-β）は髪の毛の成長を妨害することでヘアサイクルを乱す作用があると言われています。この乱れたヘアサイクルにより、髪の成長期が短縮され、健康な髪が生えにくくなります。これにより抜け毛が増え、AGA（薄毛）が進むというわけです。
AGAの影響がが頭頂部や前頭部で顕著に出るのは、この部分に5αリダクターゼが多くありジヒドロテストステロンが多く生成されるためだと言われています。
筋トレをするとDHT（ジヒドロテストステロン）が増えてハゲる？
「筋トレをするとハゲる」という噂が一時期話題になりましたが、この2つに直接的なエビデンスはありません。
確かに、筋トレをすることでテストステロンの分泌は活発になるため、ジヒドロテストステロンの分泌も増えて抜け毛が増えると思うかもしれません。
ただ、このジヒドロテストステロンを増やすには、テストステロンと5αリダクターゼの両方が必要であり、筋トレによって5αリダクターゼが増えるといったことはありません。
結論、筋トレをするとジヒドロテストステロンが増えるということはないと言えるでしょう。
DHT（ジヒドロテストステロン）を減らすには？
ここではDHT（ジヒドロテストステロン）の抑制方法を紹介します。
投薬治療（AGA治療）
ジヒドロテストステロンの抑制で一番効果があるとされるのが、フィナステリドやデュタステリドを成分に含む薬の使用です。有名な薬だと、プロペシア（フィナステリド）やザガーロ（デュタステリド）これらの薬は、5αリダクターゼを阻害することでジヒドロテストステロンの生成を抑えます。
これらの薬は直接的に作用するので、自分でやる対策よりは高い効果が期待できます。
ただこれらの薬は副作用の可能性もあります。また市販されていないため、クリニックでの処方が必要となります。
亜鉛やビタミンB6を含んだ食事
自分でできる対策として、食生活の見直しが挙げられます。
DHT（ジヒドロテストステロン）の抑制に効果的と言われているのは、
| 例 | |
| 亜鉛 | 牡蠣・魚介類・レバー・チーズ（パルメザン） |
| ビタミンB6 | ピーナッツ・牛鶏肉・赤身の魚・鶏レバー |
| 大豆 | 豆腐・納豆・豆乳 |
| お茶 | 紅茶・緑茶 |
となっています。これ以外にも、みかんの皮やアロエも効果があると言われています。
普段の食事からこれらの成分を摂取するのが理想ですが、難しい方はサプリなどの活用も検討してみてください。
生活習慣
生活習慣が乱れていると、ホルモンバランスが乱れジヒドロテストステロン増える可能性があります。特に以下の点を意識してみましょう。
睡眠
良質な睡眠は、ホルモンバランスを整えるとされています。睡眠時間は最低でも6時間はほしいところです。良質な睡眠をとるためには、寝る前のスマホや過激な運動をしない、寝る2時間前までに食事や入浴を済ますことなどを意識してみましょう。
運動
適度な運動はストレスを和らげる作用があり、これもホルモンバランスにいい影響を与えるとされています。また汗によりジヒドロテストステロンは身体の外に排出されます。
ただ過激な運動は睡眠を妨げたりする恐れもあるので、程々にしましょう。
飲酒や喫煙
アルコールは、代謝の際に亜鉛を大量に消費するので、可能であれば飲酒は控えたほうが良いです。また、睡眠の質という面からしても悪影響と言えるでしょう。
喫煙も、血行に悪い影響を与えるのでできるだけ控えましょう。
DHT（ジヒドロテストステロン）まとめ
AGAに悩む人にとって無視できないジヒドロテストステロンですが、一概に悪いホルモンというわけではありません。きちんとメリット・デメリットを知った上で正しく付き合っていくことが大切です。
ジヒドロテストステロンを抑えるには、様々な方法がありますが、投薬治療がおすすめです。ただその副作用や費用面などもしっかり理解した上で利用しましょう。
多くのAGAクリニックでは無料相談を行っているので、まずは医師に相談してみることをお勧めします。
クリスタル美容外科でも無料カウンセリングを行っていますので、お気軽にご相談ください。
