AGA治療で最近幅広く使われてるデュタステリド(ザガーロ)ですが、その効果は誇大広告という意見があります。今回は、そのデュタステリド(ザガーロ)の効果とフィナステリド(プロペシア)との本当の違いも解説します。
デュタステリド(ザガーロ)の前にフィナステリド(プロペシア)を復習
プロペシアはフィナステリドという成分を主成分とするAGA治療薬です。アメリカのメルク社が販売しており、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可もおりている、非常に信頼性が高い薬です。もちろん日本でも承認されているため、AGA治療で幅広く使用されています。
効果としては、5αリダクターゼという酵素を阻害する働きをもっています。この酵素を阻害することで、薄毛や脱毛をを抑えるというわけです。フィナステリドは、発毛を促す成分ではなく、脱毛を抑える「守り」に当たる役割を果たします。発毛にはミノキシジルと呼ばれる成分が使われます。
フィナステリドは前頭部というより、頭頂部に効果があります。
デュタステリド(ザガーロ)とは
デュタステリドを主成分とするザガーロは、プロペシアが日本で出回ってから約10年後に、イギリスの大手製薬会社であるグラクソスミスクライン社から発売されました。
デュタステリド(ザガーロ)は2015年に日本で承認され、2016年から販売が開始されています。
デュタステリドも、5αリダクターゼの阻害することでAGAの進行を抑制します。また、発毛というより脱毛を防ぐ役割なのもフィナステリドと同じです。
フィナステリド(プロペシア)との違い
デュタステリドとフィナステリドの違いを詳しく見ていきましょう!
血中滞在時間
デュタステリドは、フィナステリドと比べて血中に滞在する時間が長いと言われています。フィナステリドが約1日半弱なのに対し、デュタステリドは約2日強の間、血液の中に残ります。これにより効果が高まる一方、副作用のリスクも高まります。
5αリダクターゼ
フィナステリドは5αリダクターゼのⅡ型のみを阻害しますが、デュタステリドは5αリダクターゼのⅡ型だけでなくⅠ型も阻害します。ただこのⅠ型ですが、AGAに直接関係あるという臨床データはありません。
5αリダクターゼⅠ型はAGAの進行と関係ない?
ここでは、5αリダクターゼⅠ型を詳しく説明していきます。
5αリダクターゼⅠ型とは
5αリダクターゼⅠ型は、一言でいうと頭皮の皮脂腺あたりに主に存在する酵素です。頭皮が脂っこくなるのは、この5αリダクターゼⅠ型のためと言われていますが、AGAとの関係は医学的に証明はされていません。
また5αリダクターゼⅠ型は前頭部に集中していることもあり、M字ハゲの原因と勘違いされやすいのです。
多くのAGAクリニックでは、あたかもこの5αリダクターゼⅠ型がAGAの原因のように記述していますが、臨床データはありません。
5αリダクターゼⅠ型を阻害するリスクは未知数
5αリダクターゼⅡ型は抜け毛と直接の関係があることは分かっており、フィナステリドなどで上手に付き合うことで、対応できます。
しかし5αリダクターゼⅠ型は、AGAへの関係性も分かっていません。デュタステリドでこれを阻害することは、副作用のことなどを考えると、デメリットの方が大きい可能性もあります。
5αリダクターゼⅠ型もⅡ型も、身体に必要である酵素であることは間違いないです。それを根拠もなしに阻害することは、リスクであると言えるでしょう。
その証拠にアメリカやイギリスでは、ザガーロは未承認薬です。発売元のグラクソスミスクライン社はイギリスの製薬会社なので、自国でも承認されていない薬が海外で承認されているのは、不思議としか言いようがありません。アメリカで承認されていないAGA薬が日本承認されるのも、あまり例がありません。
ザガーロはプロペシアと比べると、治療費や利益率が高い傾向のある治療薬です。なのでザガーロを推す医院が多いのも納得です。
デュタステリド(ザガーロ)はM字ハゲに効かない?
デュタステリドはM字ハゲに効くという情報があります。
たしかに5αリダクターゼⅠ型は前頭部に主に存在しているので、これを抑えることでM字ハゲが抑制できるという風に考えてしまうのもわかります。ただ繰り返しになりますが、デュタステリドがM字ハゲに直接的に効くという臨床データはありません。
よくデュタステリドで髪が生えてきたという症例もありますが、デュタステリドの効果は「脱毛予防」です。髪が生えるのは、ミノキシジルの効果である可能性が高いので、惑わされないようにしましょう。
こういった背景を踏まえると、今の段階ではザガーロのおすすめはできません。
まずはデュタステリド(ザガーロ)ではなくフィナステリド(プロペシア)で!
ここまで説明してきたとおり、デュタステリド(ザガーロ)の効果ははっきりとは解明されていません。AGA治療はフィナステリド(プロペシア)とミノキシジルでまずは十分です。
もちろん治療の選択は、ご自身でしていただきたいところですが、こういった背景を踏まえて冷静に選択をしてほしいところです。
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