AGA

【医師が教える】AGA(薄毛)予防&抑制に効果的な食事

食事

薄毛に悩んでいていても、予防策や改善策が見えてず悩んでいる方もいらっしゃると思います。

薄毛の原因はさまざまな要素が絡み合い発症しています。

今回は、そのなかでも予防や改善につながる、食生活や栄養摂取方法について解説していきます。

AGA(薄毛)と食事の関係

薄毛と食事は、密接に関連しています。良質な食生活を心がければ薄毛の予防・改善につながります。

まず、意識してもらいたいのが、バランスのいい食事です。また、適度な食事量を心がけて食べることも適切な予防です。

皮脂の分泌を増やし頭皮の老化を早める脂質や、血液をドロドロ状態にして頭皮に影響を及ぼす糖質などが多く含まれる食事は控えましょう。

脂質の多い揚げ物やラーメンなどの食べすぎは頭皮の栄養素が不足してしまうため注意が必要です。

さらに、アルコールの過剰摂取は、ビタミンの吸収率を下げ、発毛に必要な量が髪に行き渡らなくなります。

こういった頭皮に影響する食生活の積み重ねが、薄毛につながります。そのためバランスの良い食生活を心掛けていきましょう。

医者
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AGA(薄毛)でやってはいけない食生活

暴飲暴食

魚や肉、卵、大豆、ツナ、豆腐といった日常からよく食べる食べ物にも多く含まれるタンパク質は、髪の構成成分の中でも必要な成分です。

暴飲暴食によりタンパク質が不足した場合、体は生命維持にタンパク質の消費を優先するため、髪の毛に対して供給されなくなる可能性があり、薄毛の要因のひとつになります。

過激なダイエット

大きく食事を制限するダイエットをしている場合は、気をつけてください。

過度なダイエットの影響により摂取する栄養は不足してしまうことがあります。

その結果、髪の毛へ栄養素がいきわたらなくなることが、薄毛の原因の一つとなることもあるのです。

栄養バランスが崩れた食事

頻度の高い外食やハンバーガーなどのファーストフード、お菓子などを食べることは極力控えるようにしましょう。

なぜなら安価に作るために保存料や防腐剤が使われています。また、大量生産と長期保存ができる食品は栄養分が偏りやすいからです。

つまり栄養が偏り、生命力のないもを取り入れることは、消化、吸収、排泄の邪魔になるため、なるべく食べないように意識しましょう。

寝る前の食事

就寝直前の食事も避けましょう。寝る直前の食事は、就寝中に胃の働きが活発になります。

本来、一般的には就寝する時間帯に髪の成分が構成されるのですが、就寝直前に食事をすると、消化のために胃に血液が集中し頭皮に行きわたらなくなり、髪の毛が育たない可能性があります。

AGA(薄毛)対策のためにとるべき栄養素

タンパク質

髪の毛の主成分は、「ケラチン」というタンパク質で構成されています。その割合は99%にもなります。

そのケラチンが不足すると健康な髪の毛が生えにくくなります。また、髪の毛がやせ細りやすくなるのです。

そのため、ケラチンの不足を防ぐためにはタンパク質の摂取を意識しましょう。

ミネラル

ミネラルは、体や骨を作るのに欠かせません。また、体に栄養を運ぶ作用やストレスの軽減にも役立ちます。 

つまりイライラからの抜け毛予防・薄毛対策にミネラルの効果は期待できるという声もあります。

ミネラルの中でも薄毛の改善に役立つと言われているのが亜鉛です。

コラーゲン

髪の毛のもととなるものに毛包幹細胞という細胞があります。

この毛包幹細胞を保護するのがコラーゲンなのです。これが不足すると、頭皮の毛穴も小さくなってしまう恐れがあります。

なぜならそのコラーゲンが減少することで、この毛包幹細胞が外部に追い出されてしまうといわれているからです。

ビタミン

ビタミンは、頭皮環境を整えるうえで重要な役割を占めています。

特にビタミンB群は、頭皮の新陳代謝を活性化しビタミンEは、細胞の酸化を抑えるアンチエイジング効果といった働きがあります。

ただし、過剰摂取は薄毛の原因にもなりますので、摂取量を守りましょう。

亜鉛

毛髪の成長に重要とされるのは亜鉛です。亜鉛は髪の毛の成長に欠かせないミネラルで、この成分の不足から髪の毛は育たなくなる可能性が高く、抜け毛の原因となることがあります。

また、亜鉛はAGAなどの脱毛症の原因である、活性型男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)を生成する5αリダクターゼを抑制できます。

イソフラボン

内臓脂肪から分泌される悪玉ホルモンが増えていくと、血行が悪くなることがあります。

その影響で薄毛は進行してしまう可能性も高まるのです。

悪玉ホルモンを抑制する働きをもつ栄養素がイソフラボンであり、血行を保ち薄毛の予防に役立ちます。

シスチン

髪の毛を構成するタンパク質のひとつに硬質ケラチンがあります。シスチンはこの硬質ケラチンを作る時に必要となります。

つまりシスチンを摂取することで、髪の毛の状態が良くなり薄毛・抜け毛の予防と抑制に役立つと言われています。

メチオニン

メチオニンは、タンパク質の原料です。髪の毛を構成する主な成分がタンパク質なので、メチオニンは重要となります。      

しかし体内での生成が難しいため食べ物やサプリなどでの摂取が必要となります。

シスチンと同じく、メチオニンはケラチンを生成する役割を果たしているので意識的に摂取するようにしましょう。

ヨード

ヨードとは、ヨウ素というミネラルのことです。

ヨウ素は海水にあり、海のミネラルとも呼ばれる物質です。ワカメや昆布、ヒジキといった海藻類に含まれています。

髪の発育時にタンパク質の合成をする役割を持つので、ヨードの力を借りてタンパク質が合成されれば、髪の毛を健康に保つのを助けてくれるとされています。

さらに、ヨードは血行促進効果にも優れています。そのため頭皮の血行を改善することにより薄毛の予防に役立ちます。

AGA(薄毛)対策のために食べるべきもの

肉類

お肉はタンパク質を多く含む食品で、素早く摂取できるため非常におすすめです。

そのなかでも、頭皮の環境改善に役立つのが豚レバーです。なぜなら亜鉛・ビタミンAが豊富に含まれているからです。

頭皮環境の改善目的でお肉を選ぶ際は、脂身の少ないものを選び、皮脂分泌を抑えるものにしましょう。

髪の毛を作るための栄養素を含む万能の食材と言われているのが卵です。

その中でも、育毛効果を高めるビタミンH。髪の毛の成分であるレシチンと亜鉛なども豊富なので、1日1個食べるのがおすすめです。

ただ卵を食べる際の注意点として、レシチンは熱に弱く、60度以上の熱で壊れるため加熱しすぎないようにしましょう。

大豆製品

薄毛の原因となる男性ホルモンを抑えることができるのが、イソフラボンです。

大豆製品の中でも納豆は比較的摂取しやすい食材となります。

納豆は、イソフラボンを多く含んでいますし、タンパク質の摂取や血液をサラサラにすることでの薄毛改善効果も期待できます。

乳製品

乳製品も薄毛の改善に役立ちます。

 牛乳、ヨーグルトやチーズといった乳製品は、タンパク質はもちろん、ビタミンミネラルなども豊富に含まれている食品なのです。

乳製品を上手に取り入れて、ビタミンやミネラル、タンパク質を同時に効率的にとりましょう。

牡蠣

ビタミンB群のなかでも、とくにビタミンB12は髪の毛の成長に欠かすことができません。

牡蠣は、そのビタミンB12を多く含んでおり、薄毛の改善に役立つ可能性が高いです。

また、牡蠣はビタミンだけでなく、タンパク質ミネラルも豊富なので“良質な食材”に分類されます。

ナッツ

ナッツ類に含まれるビタミンEは、細胞の酸化を抑えるアンチエイジング効果が期待できます。

また、ナッツ類は髪の毛に良いとされる栄養素をバランスよく持っています。なかでもアーモンドは栄養価が高いのでおすすめです。

緑黄色野菜

各種のビタミンとミネラルが豊富な緑黄色野菜も摂取が必要です。

なぜなら、ビタミンやミネラルは、髪に対して重要な役割を担っている部分が多いからです。

しかし、冷たいもので体を冷やすと血行を悪くする可能性があります。そのため、野菜は火を通して食べるようにしましょう。

ココア

ポリフェノールを多く含む飲み物であるココアは頭皮の老化を防ぐことができます。

なぜなら抗酸化作用により体内で増えた活性酸素を除去していくことで、老化や、癌、生活習慣病などの予防ができます。

そのため頭皮の老化・抜け毛防止効果が期待できます。

緑茶

緑茶も抜け毛対策として使えます。日本でなじみの深い緑茶には多くの育毛、脱毛防止効果が期待できます。

なぜなら緑茶には、薄毛の原因となるDHT(活性型男性ホルモン)に変換する1型5αリダクターゼを抑制することができるからです。

コーヒー

日常のなかで飲むコーヒーも薄毛の予防に対して効果があるといわれています。

カフェインは脱毛の原因であるテストステロンに影響を受けやすい毛根を持つ男性に効果を発揮するといわれています。

投薬治療

食生活の改善では回復が見られないこともあります。

そしてAGAや、円形脱毛症などの症状が心理的要因に該当する場合は、心身医学療法である精神療法で投薬治療も考えられます。

なぜなら「精神疾患であるために皮膚に症状が出る」という事例もあるからです。

生活習慣の改善

薄毛の改善のために生活習慣の見直しも必要です。

髪は睡眠中に成長し、傷みが補修される仕組みがあります。そのためにしっかりとした睡眠時間の確保も大切です。

また、ストレスも抜け毛の要因ですので独自のストレス解消方法を考えておくのも良いでしょう。

髪や頭皮のケア

頭皮環境の悪化と食生活の乱れは薄毛を招きます。

日頃から頭皮・頭髪のセルフケアを正しく理解しケアすることが大切です。

そのため“外側” からの髪、頭皮のケアを調べたり、薄毛専門サロンに通い学習することも必要です。セルフケアによる適切な頭皮洗浄、マッサージを習慣付けていきましょう。

食生活からAGA(薄毛)対策を!

今回は、食生活からの薄毛の改善と予防についてお伝えしてきました。

髪を構成する三大栄養素、タンパク質、ビタミン、亜鉛(ミネラル)などを食生活を改善して取り入れていきましょう。

そうすることで健康的な髪は生えていきます。

また、髪の健康の維持のために気軽に受診できる環境も大切です。食生活改善とともに、専門の医師への相談もぜひご検討ください。