脂漏性皮膚炎は頭にフケや赤みが現れる皮膚炎のことを指します。頭皮の状態が良くないと起こりやすく、抜け毛などに繋がります。今回はそんな脂漏性皮膚炎を解説していきます。
脂漏(しろう)性皮膚炎とは?
脂漏性皮膚炎とは女性より男性に多い皮膚炎で、乳児や思春期以降の成人に発症することが多い病気です。
具体的な症状として、フケや赤みが頭皮に現れ、かゆみを伴います。頭皮の状態が外部の刺激によって悪くなると発症すると言われています。
乳児のものは、一時的に頭皮に皮脂が多くなることで発症しますが、自然治癒する場合がほとんどです。
反対に、成人の脂漏性皮膚炎は治りにくいので、発症したらすぐに医師に相談することをおすすめします。
脂漏(しろう)性皮膚炎の特徴
脂漏性皮膚炎の特徴として以下の症状が挙げられます。
- 頭皮が炎症を起こしており、赤みを帯びている
- フケが出る
- 頭皮が痒い、もしくは痛い
- 皮脂が酸化しニオイがする
成人における脂漏性皮膚炎は、再発しやすく、治療を適切に行わないと長引くという特徴もあるので、この様な症状を感じたらすぐに医師に相談しましょう。
脂漏(しろう)性皮膚炎と薄毛(AGA, FAGA)の関係
脂漏性皮膚炎が発症しただけでは、薄毛になるということはありません。ただし、脂漏性皮膚炎で頭を掻きむしったりすることが多くなると抜け毛が増えることはあります。
脂漏性皮膚炎の頭皮の状態は良くないので、髪の成長環境としては好ましいものとはいえないでしょう。
また、脂漏性皮膚炎とAGAも直接関係はないと言われています。
AGAは男性ホルモンによるもので、脂漏性皮膚炎は皮脂が原因とされていますが、この皮脂はAGAと関係がないと言われているからです。
ただ脂漏性皮膚炎を発症するような生活習慣は、育毛の観点から良くはないので、AGA発症の確率を高めるリスクもあります。
脂漏(しろう)性皮膚炎の原因と対策
脂漏性皮膚炎のはっきりとした原因はまだ解明されていません。ただ、頭皮の常在菌であるマラセチアというカビが、異常に繁殖するためという説が最有力といわれています。
マラセチアは普段は特に影響をもたらしませんが、皮脂が過剰に増えるとそれを餌に繁殖し、炎症を引き起こします。
ヘアケアの方法
ヘアケアの方法が良くないと頭皮の状態が悪くなり、脂漏性皮膚炎のリスクを高めます。皮脂の量は適度に保つことが大事ですが、シャンプーの方法によってはこのバランスを崩してしまいかねません。
シャンプーをしすぎると、皮脂を過剰に洗い流してしまい、皮膚が乾燥します。それで頭皮が、皮脂を必要以上に分泌してしまいます。逆にシャンプーを十分に行わないと、皮脂の汚れが頭皮に残り、マラセチアの繁殖の原因になります。
シャンプーやコンディショナーはできるだけ刺激の弱いもので、指の腹で優しく丁寧に洗うように心がけましょう。また一日一回のシャンプーで十分汚れは落ちるので、毎日二回以上シャワーを浴びる方は、「夜だけシャンプーをする」など工夫しましょう。
ケトコナゾールを含んだシャンプーも有効だとされています。この使用は処方箋が必要ですが、その手軽さで人気です。
食事
糖質や油分の多い食事を取り続けることで、肥満になりやすくなります。肥満になると、皮脂の分泌量が増加しやすくなるので脂漏性皮膚炎のリスクが高まります。
食事は、魚や野菜を多めにとり、揚げ物を始めとする脂分が多いものを控えることが大事です。また皮脂の分泌にはビタミンB2、ビタミンB6が大きく関係していると言われているため、積極的にとるようにしましょう。具体的には、魚介類、豆製品、レバー、ブロッコリーなどの野菜類がこれらのビタミンを多く含んでいると言われています。
詳しくは、日本食品標準成分表についてを参照してください。
生活習慣の乱れやストレス
生活習慣の乱れやストレスによりホルモンバランスが崩れたり皮膚の抵抗力が低下すると、皮脂の分泌が多くなります。生活習慣などを見直し、ストレスをためない様にすることが大事です。
睡眠不足
睡眠不足は、頭皮のターンオーバーと呼ばれる皮膚の生まれ変わる過程に悪影響をもたらします。健康な皮膚を保つにはこのターンオーバーが必須となります。
適切なターンオーバーを促すためには、夜ふかしなど避けるだけではなく、睡眠の質にもこだわる必要があります。寝る時間が毎日違ったり、寝る前のスマートフォン操作は、睡眠の質を下げる要因になりますので注意しましょう。
紫外線
紫外線は頭皮に悪影響をもたらします。紫外線の強い夏などは特に気をつけましょう。
帽子や日傘の利用もおすすめです。
脂漏(しろう)性皮膚炎の治療
脂漏性皮膚炎かな?とおもったらまずは医師に相談しましょう。自分で治そうとすると悪化して、治癒が難しくなることもあります。
治療は服用薬と服用薬がメインです。
服用薬
脂漏性皮膚炎の服用薬として、抗ヒスタミン薬やビタミン剤の飲み薬が使われる事が多いです。抗ヒスタミン薬は痒みを抑える効果があり、ビタミン剤は皮脂の分泌に関係のあるビタミンB2、ビタミンB6を摂取できるので症状の回復が見込めます。
外服薬
ステロイド外用薬と抗真菌薬という二種類がメインです。症状が重ければ二種類、軽い場合は抗真菌薬だけで様子を見る場合が多いです。
ステロイド外用薬は炎症を抑える役割があり、抗真菌薬はマラセチアの繁殖をおさえます。
脂漏(しろう)性皮膚炎かと思ったらまずは医師に相談
頭皮の赤みやかゆみ、フケなどで脂漏性皮膚炎が疑われる場合は早めに医師に相談しましょう。特に成人における脂漏性皮膚炎は慢性化しやすいので、注意が必要です。
脂漏性皮膚炎とAGAは直接的な関係はありませんが、脂漏性皮膚炎の原因はAGAの発症確率を高めるものも多いです。もし脂漏性皮膚炎で抜け毛が多いようでしたら、AGAクリニックも視野に入れてもいいかもしれません。
クリスタル美容外科では、無料でカウンセリングも行っています。この記事を読んで不安に思った方は、まず気軽に医師に相談してみましょう。