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【医師が教える】自毛植毛のFUE法は危険?メリットやデメリットを紹介

「植毛治療のFUE法ってどんな治療法?」
「FUE法は危険って聞くけど何が危ないの?」
今回はこのような疑問にお答えします。

FUE法とは自毛植毛のひとつで、メスを使わない薄毛治療です。
メスを使わないため痛みも少なく、傷が目立ちにくいという特徴を持ちます。

しかしFUE法にもデメリットがあり全ての人に適した治療法とは言えません
この記事ではFUE法についてくわしく解説していきたいと思います。

自毛植毛のFUE法とは?

FUE法とは、Follicular Unit Excisionの略で、メスの代わりに専用の医療器具を使用した自毛植毛のことです。

FUE方では、AGAの影響を受けにくい側頭部または後頭部からグラフトを採取して薄毛部分に植毛します。
つまり残っている部分の自分の毛根を引き抜き、薄毛部分に植毛する治療法です。

ただし、直接毛根を採取した場合、抜いた場所からは2度と毛は生えてきません

毛根の底には毛母細胞があり、毛乳頭から栄養を受け取り髪の毛を生成します。
つまり、毛根を引き抜くと毛母細胞を死滅させ髪の毛が生えなくなるのです。

グラフトって何?

グラフトとは、髪の毛の束のことです。
※別名:株

健康な髪の毛であれば、1つの毛穴に1~4本の束となって髪の毛が生えます。
自毛植毛では、髪の毛「1本単位」ではなく「1グラフト単位」で移植を行うのです。

1グラフト採取する場合、1〜4本の毛根を採取することになります。
仮に1000本の髪の毛を植毛する場合、250〜1000グラフトを採取する必要があるのです。

FUE法の自毛植毛は、グラフトの採取から始まると言えるでしょう。

採取可能なドナー株の数には限界がある

採取可能なドナー株(グラフト)には限界があります。

主に前頭部や頭頂部を中心にAGAは発症します。
FUE法ではAGAの影響を受けにくい側頭部または後頭部からドナー株を採取するのです。

側頭部と後頭部はAGAの原因のひとつである「5αリダクターゼII型」の影響を受けにくいといわれています。
つまり、ドナー株を採取するには最適な箇所と言えるのです。
ただし、1度ドナー株を採取すると移植元からは2度と髪の毛は生えません

つまり、採取できるドナー株には限りがあるのです。
安易にドナーを採取してしまうと、側頭部や後頭部は髪の毛が失われることを理解していてください。

手術に使われる器具ってどんな物?

FUE法ではメスを使わず、「パンチブレード」と呼ばれるパンチ機器で治療します。
※別名:「チューブパンチ」または「マイクロパンチ」

パンチブレードによって毛根をひとつずつ採取し、薄毛部分に毛根を植え込むことで薄毛の改善を図ります。

皮膚を切らないため、治療後の痛みも少なく傷あとも目立ちにくいことが特徴的です。
ただし、ドナー株を1つずつ採取する関係上、治療時間は長くなり治療費も高くなる傾向にあります

毛根切断率(ドナーロス)

ドナー株の採取は全て問題なく採取できるとは限りません。

FUE法はひとつずつドナー株を採取するため、高い技術力が求められます。
ですから、医師の技量や長時間の移植手術による集中力の低下などがロスに繋がる原因となります。
採取数が多くなるほど手術の時間は長くなりので、そのリスクは高くなるでしょう。

つまり、長時間の手術はドナー株を傷つける可能性が高くなり、ドナーロスに繋がる場合があるのです。

FUE法とFUT法の違い

自毛植毛にはFUE法とは別に、FUT法が存在します。

両者の違いは以下の通りです。

FUE法FUT法
摂取方法パンチニードルでひとつずつドナー株を採取メスで移植元の頭皮を切除
傷あと目立ちにくい切除した範囲で傷あとが残る
施術時間長い切除範囲によって異なる
ダウンタイム1~2日1週間〜2週間
術後の痛み有り(3〜4日)有り(1週間〜2週間)

上記のような違いがあるため、自毛植毛を検討されている場合、医師へ相談し適切な選択をしましょう。

ハサミ
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FUE法の具体的な治療の流れとは

FUE方の治療の流れ

  1. 診察:施術内容の説明、プランの確認など
  2. ドナー採取:移植元のドナーを採取
  3. 移植ホールの作成:移植するためのホール(穴)を作成
  4. 採取したドナーの移植:作成したホールにドナーを移植
  5. 術後処理:術後のケアの実施

※施術のみの流れになります。

移植するドナー株の数によって、手術の時間は前後するでしょう。
大量のドナー株を採取する場合、7時間かかるケースもあります。

また、入院の必要はなく日帰りが可能であるため、術後の拘束時間は発生しません。
ただし、ドナー株の採取数が2000を超える場合、1度で手術が終わらない可能性もあります。その場合は2回にまたがり手術するケースもあるのです。

ARTAS植毛

ARTAS植毛とは、自毛植毛の一つです。
大きな特徴は、人ではなくロボットによって手術を行うことです。

ロボットによる治療のため、疲労による集中力の低下はありません。
しかし、現状では細かい作業において人による手術の方が優れていると言えるでしょう。

例えば、ARTAS植毛の場合側頭部からの採取ができず、後頭部からの採取に限られます
※顔を固定する必要があるため。

つまり、後頭部から多くのドナーを採取する都合上、後頭部が薄くなる可能性があるのです。
細かい作業が難しく、悪く言ってしまうと融通が効かないといったデメリットに繋がります。
安心感という意味では、人による手術の方が良いのかもしれませんね。

FUE法のメリット

FUE方のメリット
  • 治療後の痛みがほとんどない
  • ダウンタイムが短い
  • 傷あとが目立ちにくい
  • ドナー部分の傷の治りが早い
  • 自分の毛を植毛するため仕上がりが自然

FUT法と比べ、治療後の痛みが少なくダウンタイムが短いなどのメリットが特徴的です。
また、傷あとも目立たず治りが早いため治療後すぐに日常生活に戻れます。

仕事の都合上、手術後に長期間休みが取れないと言った心配も不要と言えるでしょう。

FUE法のデメリット

デメリットは以下が挙げられます。

FUE法のデメリット
  • 一度抜いた箇所からは髪の毛が生えない
  • 医師の技量次第で、ドナーロスの数が変わる
  • ドナー数には限りがある
  • 治療時間が長くなる傾向にある
  • 治療費が高い

ドナー株の数やロス、髪の毛が生えてこないなどのデメリットが特徴的です。
ドナーには限りがあり、採取したドナーが全て植毛できるとは限りません。

FUE法はひとつずつドナーを採取する繊細さ、高い技術が求められます。
「確実に」や「絶対に」を求める方はFUE法は避けた方が良いかもしれません

FUE法が向いている人

FUE方は薄毛の範囲が狭い人に向いているでしょう。
薄毛の範囲が狭ければ、植毛する範囲も狭まると言えます。

つまり、ドナー株の取得範囲も狭くなり、ドナーロスの可能性が下がるのです。

その他、薄毛の範囲が広い人と比べ手術の時間が短くなり、費用が抑えられるなどのメリットも挙げられます。

薄毛の範囲が狭く、ドナー株の採取を抑えたい方であればFUE法は選択肢の1つに入れられるといいでしょう。
逆に薄毛の範囲は広い方は、FUE方は向いていないと言えます。

NS-FUEとは?

NS-FUE法とは、Non-Shaved FUEの略です。

FUE法と異なり、後頭部、側頭部を刈り上げる必要がない特徴を持ちます。

術前術後で見た目が変わりにくく、接客業や営業職など人前に出る機会のある方に向いている植毛治療と言えるでしょう。

●メリット●デメリット
後頭部の刈り上げが必要ないFUE法と比べ手術時間が長くなる
ドナー部にウィッグ(カツラ)をつける必要がないFUE法と比べ料金が高くなる

ドナー部分の刈り上げに抵抗のある方は選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

FUE方のまとめ

FUE法とは、自毛植毛の中のひとつの手術法です。
自身の側頭部または後頭部からドナー株を採取し、薄毛部分に植毛する治療法です。

FUT法と違い、メスを使用せず植毛するため傷あとが目立ちにくいと言った特徴を持ちます。

FUE法は薄毛治療の1つではあるものの、薄毛治療は投薬治療から始めることが一般的と言えるでしょう。
ミノキシジルフィナステリドといった成分が含まれた薬を服用することで薄毛の改善は見込めます。まず投薬治療を試していただき、納得のいかない結果となる場合にFUE法を選択すると良いかもしれません。

クリスタル美容外科では無料相談も行っていますので、薄毛、抜け毛にお困りの際はぜひご相談ください。