日本人にとって非常に身近な食材「大豆」。
枝豆、豆腐、納豆、味噌、醤油、豆乳と日頃から食べる機会が多く、特に女性の方は「大豆イソフラボン」という名前を一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
女性ホルモン(エストロゲン)のような作用を持ち、健康に良いと言われている「大豆イソフラボン」ですが、「ダイエットや美肌効果がある」や「薄毛や抜け毛に効果的」とは実際にどのように効果的なのでしょうか?
また、男性の体にはどのように作用するのでしょうか。
今回は「男性の薄毛や抜け毛と大豆イソフラボンの持つチカラ」について解説していきます。
まずイソフラボンとは?
イソフラボンとは、ポリフェノールの一種で植物に多く含まれております。
ポリフェノールはイソフラボンを含めたカテキンやアントシアニンなど複数の種類があります。
イソフラボンは、女性ホルモンと似ている作用があるといわれています。
そのため更年期障害の症状軽減を目的に摂取をする女性多いようです。
女性ホルモンと類似する効果は薄毛の予防や改善にも用いられ、薄毛で悩んでいる男性にもその効果が期待できます。
イソフラボンはやはり大豆製品
イソフラボンが含まれた食材の代表は「大豆製品」です。
内閣府食品安全委員会での食品検査のデータによると、それぞれの大豆製品にはおおよそ下記の量のイソフラボンが含まれていると報告されています。
- 大 豆 : 140.4 mg
- 煮 大 豆 : 72.1 mg
- 揚げ大豆: 200.7 mg
- 黄 粉 : 266.2 mg
- 豆 腐 : 20.3 mg
- 油揚げ類: 39.2 mg
- 納 豆 : 73.5 mg
- 味 噌 : 49.7 mg
- 醤 油 : 0.9 mg
- 豆 乳 : 24.8 mg
イソフラボンの「グリコシド型」と「アグリコン型」
イソフラボンが含まれる食品の多くは「グリコシド型」になります。
このタイプは糖がくっついたイソフラボンで、この状態だと分子が大きめになります。
「グリコシド型」のままでは体内に吸収することはできず、糖を分解し「アグリコン型」にし分子を小さくすることで吸収することができるのです。
アグリゴン型はグリコシド型に比べ約3倍の吸収性を持つと言われています。
イソフラボンを変化させるためには腸内細菌の力を使うことが必要であり、糖を分解することができれば「アグリコン型」に変化させて摂取することができます。
イソフラボンと薄毛に効果的な理由
女性ホルモンの作用と似ているイソフラボンの作用は、薄毛の予防、改善につながると前述しました。
女性は男性と比較して薄毛になりにくい傾向がありますが、これは女性ホルモンには脱毛の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」を抑制する効果があるからなのです。
つまり、イソフラボンをうまく摂取することができれば「ジヒドロテストステロン(DHT)」の活動を阻害し薄毛の予防、改善につなげられるのです。
薄毛に効果的なイソフラボンの摂取方法
イソフラボンを定期的に適量摂取することで薄毛改善が期待できます。
一日に必要とされるイソフラボンの推奨量に明確な指標はありません。
厚生労働省での指標によると「安全性を考慮した上限値として一日75mg程度」とされています。
イソフラボン75mgの身近な食品での目安では
- 豆腐→約1丁分(300g程度)
- 納豆→1.5パック(1パック50g程度)
ただ75mgを超えたら不調になるというわけでありませんので、摂取の際のひとつの目安としてお考えください。
イソフラボン摂取の副作用
ここからはイソフラボンの副作用と危険性について挙げていきます。
日本では大豆食品を過剰に摂取したことによる副作用や危険性について、現在はっきりと研究結果が出ていません。それでも天然由来の成分のため重篤な副作用はないと言われています。
ですが体質によっては下記のような症状が見られる場合があります。
下痢
大豆には不溶性食物繊維が多く含まれており、排便をスムーズにするため腸内で水分を吸収しカサを増すことで大腸を刺激します。
しかし、便秘でも「痙攣性便秘」の場合は食物繊維の刺激により返って下痢になることがあるので気をつけてください。
太りやすくなる
大豆製品は思っているよりカロリーが高めで、絹ごし豆腐一丁分(約300〜400g)でも200kcalほどあります。
豆腐や納豆・豆乳など、確かに唐揚げやステーキなどと比べると一見カロリーが低く栄養豊富な万能商材に見えます。
ですが、食べ応えを感じづらく、つい食べる量が増えてしまいカロリーオーバーとなることがあるのです。
肌荒れやガンのリスクは気にする必要なし
イソフラボンは、女性ホルモンと同様の効果を期待できるため、基本的には肌荒れはないものと考えられています。また女性ホルモンはコラーゲンの生成を促進し美肌効果が期待できるのですからイソフラボンも同等ということになります。
現在、食品安全委員会の研究報告では、未だ多くの研究が行われている最中で人体に対するイソフラボンの効果や安全性の議論は完了できていないとされています。
よって、乳がんや前立腺癌の予防効果が期待されている一方で、そのリスクを高める可能性も示唆されています。
イソフラボンでの薄毛予防で注意すること
腸内環境を整える必要あり
腸内環境が良好だと大豆イソフラボンの吸収率は高くなります。
逆にこの腸内環境が悪いと吸収率が低下します。
この環境を整えているのが人の腸を住処にしている腸内細菌です。
豆乳にはその腸内環境を整える「オリゴ糖」が入っているので、腸内環境が良くないと感じる場合は豆乳を定期的に飲むと良いでしょう。
過剰摂取で女性化する
大豆イソフラボンを継続して過剰摂取(1日当たり数100㎎)した結果、男性の乳房が女性化するというケースがありました。
天然由来の成分として安全性が高いイソフラボンですが、エストロゲンの分泌が少ない男性においては、過剰摂取で起こりうる可能性のある女性化に注意して摂取しましょう。
過剰摂取を気にされる場合は、1日当たり70~75mgの摂取量を守るようにしましょう。
薄毛にはイソフラボンよりもAGA治療
確かに豆乳は美容や育毛にも期待できる栄養素が含まれています。
また、豆乳などに含まれる大豆イソフラボンには抜け毛や薄毛の原因となる脱毛ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の発生を抑制する効果もあることもお伝えしました。
しかし、イソフラボンはあくまで食材に含まれる成分の一つであり、AGA治療薬と比較するとその効果は小さくなります。
AGAにお悩みの方は大豆イソフラボンで栄養を補いつつ、クリニックで専門の治療を行いましょう。
薄毛に悩んだら医師に相談しよう
- イソフラボンは女性ホルモンに近い作用を持つことから、薄毛予防が期待できる。
- 下痢や太りやすいなどの注意点はあるが、比較的安全で重篤な副作用がない。
- 豆腐や納豆・豆乳などで手軽に摂取が可能。
今回は「大豆イソフラボンは薄毛に効効果があるのか」「豆乳で男性の抜け毛予防は可能か」について解説していきました。
クリスタル美容外科では、薄毛・脱毛に関する様々な相談を無料でお受けしております。
セルフケアだけではご心配な方や、なかなか改善が見られない場合は、ぜひ一度クリスタル美容外科へお問い合わせください。