女性に起こる薄毛疾患の一つに「休止期脱毛症」があります。発症にはさまざまな原因が考えられるため、あらかじめ特徴や治療法などについて確認しておくことが大切です。
今回は、そんな休止期脱毛症について詳しく解説していきたいと思います。
ヘアサイクルの休止期をおさらいしよう!
髪の毛は「新しく生える→成長する→抜け落ちる→新しく生える」といったような生え変わりを繰り返しているのですが、このサイクルをヘアサイクルといいます。ヘアサイクルには「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階があり、この中で休止期は髪の毛の成長が完全に止まってしまう段階となっています。
休止期では毛乳頭細胞から毛母細胞への栄養が供給されなくなるので髪の成長が止まり、脱毛が起きてしまうのです。また、休止期の期間はおよそ3~4か月であり、毛髪全体のおよそ10~20%を占めています。
休止期脱毛症とは
休止期脱毛症はヘアサイクルの「成長期」にある髪の毛が、何らかの原因で「休止期」の入ることにより、普段より多くの髪が抜けることにより起こる脱毛症です。
薄毛の種類は主に「休止期脱毛」と「成長期脱毛」の2つに分類されます。
また、休止期脱毛症には以下の種類があります。
- 急性休止期脱毛症
- 慢性びまん性休止期脱毛
- 慢性休止期脱毛
休止期脱毛症の種類と特徴
急性休止期脱毛症
急性休止期脱毛症では、成長期の毛髪が急激に休止期に移ることで脱毛が起きてしまいます。
髪の毛が成長期の途中で休止期に移行してしまうことによりヘアサイクルが乱れるのです。
その結果、急激な脱毛症状が起こります。
急性休止期脱毛症は、さまざまな要因が重なることで発症するため、未然に防止することが難しいのが実情です。また産後脱毛や抗がん剤などの薬剤が原因となって発症する脱毛も、急性休止期脱毛症の中に含まれます。
慢性びまん性休止期脱毛
慢性びまん性休止期脱毛は、6か月以上かけて徐々に薄毛が進行します。また、症状は頭頂部だけでなく、頭部全体に現れるのも特徴です。
原因としては慢性の全身疾患や薬剤の影響、ダイエットなどによる栄養不足が挙げられます。
症状を改善するためには、これらの原因を改善した上で、薄毛の治療を行っていく必要があります。
慢性休止期脱毛
こちらも、慢性びまん性休止期脱毛と同様に、6か月以上続くのが特徴なのですが、実は他の休止期脱毛との違いや原因は明らかになっていません。
また、慢性休止期脱毛と女性男性型脱毛症(FAGA)は症状がよく似ているため判別がつきづらいのですが、大きく異なる特徴がいくつかあります。
FAGAは軟毛が増えるのですが、慢性休止期脱毛にはそういった髪の変化は起こらないのです。
また、FAGAは前頭部や頭頂部に薄毛が見られるが、慢性休止期脱毛は側頭部にも薄毛の症状が出ます。
しかし、慢性休止期脱毛の場合は原因が特定できないので、最善な治療方針を立てづらいです。
休止期脱毛症の原因
生活習慣
睡眠不足や過度なダイエットによる栄養不足、暴飲暴食、喫煙などによって生活習慣が悪化すると、休止期脱毛症を発症する可能性があります。
生活習慣を変えるのは大変かもしれませんが少しずつ改善するように意識しましょう。
また、肉体的及び精神的なストレスも発症する原因となることがあります。
生活をしていく上でストレスは避けられないものですが、体をリラックスさせる、好きなことを満喫するなど、自分なりにストレス発散をしていけると良いでしょう。
他の病気
以下に記した病気は休止期脱毛の原因となることがあります。
- 鉄欠乏性貧血
- 甲状腺疾患
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 亜鉛欠乏症
- 膠原病
ただ、これらの病気を発症したらといって必ず休止期脱毛になるというわけではありません。薄毛や脱毛が気になったらクリニックで専門医に診てもらいましょう。
薬の作用
発毛剤は新しい髪の生成を促す医薬品ですが、頭皮に塗りはじめたときや、使用を中止したときには休止期脱毛症を発症することがあります。
また、抗がん剤は成長期の髪の毛に悪影響を与えるため、薄毛を引き起こしてしまいます。この薄毛の症状は抗がん剤の使用を中止することで、ほとんどの場合は自然に回復していきます。
出産
妊娠中は女性ホルモンのエストロゲンが増加することで、ヘアサイクルの成長期が長くなります。そのため、髪は長く太く成長するのですが、出産後はホルモンバランスが通常に戻るので長くなっていた成長期は短くなります。
それにより、成長期が急激に退行期や休止期に戻るので、出産に伴って脱毛が起きてしまうのです。
脱毛は産後2~3か月ごろから起こり、6か月ごろには回復する傾向にあります。
また、この症状は出産された方に多く見られるため、あまり心配する必要はないでしょう。
休止期脱毛症の治療
投薬
薬での治療方法としては、髪の成長に必要な栄養を摂る、パントガールや発毛の効果が認められているミノキシジルを頭部に塗る方法などがあります。
パントガールは女性の薄毛治療に効果があると認められた薄毛治療薬です。
髪の成長に必要な栄養素を多く含んでいるため発毛をサポートする効果があります。
また、パントガールはスキンケアにも有効とされています。
HARG治療やメソセラピー
HARG治療やメソセラピーは、注射で頭皮に薬剤を直接注入することで髪の毛の成長を促す治療法です。HARG治療では日本医療髪再生研究会によって配合成分が決められた「HARGカクテル」を注入し、メソセラピーではミノキシジルや成長因子、栄養素などが含まれた薬液を注入します。
これらの治療法は頭皮に薬を塗る治療法に比べ効率がよいとされています。
休止期脱毛症かと思ったら医師に相談
休止期脱毛症が疑われる場合は、まず専門のクリニックの医師に相談しましょう。
休止期脱毛症の症状や原因はさまざまであり、適切な処置をしない限り一人で改善することはできません。
専門のクリニックでは問診や視診、血液検査を受けることで的確な診断をしてもらうことができます。
少しでも症状が気になるようでしたらクリニックを受診するようにしましょう。
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