「発毛剤」と「育毛剤」この2つの薬剤の持つ役割の違いについてご存じですか?
この2種類の薬品は一見同じように感じますが、実際には効能と役割がそれぞれ異なるのです。
今回はその「発毛剤」と「育毛剤」の違いや、それぞれの副作用について解説していきます。
発毛剤と育毛剤の違いについて
発毛剤の役割
発毛剤は医薬品のカテゴリで治療を目的とし、AGA(男性型脱毛症)の治療のために用いられる治療薬です。
主に血管拡張に作用し、血流改善をさせることで発毛の改善を図ります。
市販品の中にも有効成分「ミノキシジル」が配合されている物があり、それらは第一類医薬品に分類されるため副作用のリスクも存在します。また購入時には薬剤師による使用の確認が必要となります。
育毛剤の役割
育毛剤は「医薬部外品」というカテゴリーに分けられ「症状の進行を抑制」「頭皮環境の改善・維持」を目的としている物です。
頭皮の血行促進と栄養供給を促し、健康的な髪の成長のための土台を作ることで、抜け毛を防止します。
発毛剤と違い医薬部外品に分類されるため、ドラッグストアやネット販売で気軽に購入できますし、副作用のリスクはかなり低いでしょう。
養毛剤の役割
頭皮ケアやヘアケア用に、養毛剤というものがあります。
育毛剤と同じような物に思えるでしょうが、実は違いがあるのです。
養毛剤は、主に頭皮の状態を良好に保つためのケア用品のことを指します。期待ができる効果は、頭皮の保湿、抗菌、抗炎症、皮膚のターンオーバー促進などが挙げられます。
そのほとんどが化粧品に分類されており、抜け毛に対し薬効によって直接原因を解消するというよりも、既に生えている髪や頭皮の健康状態を維持することに適しています。
育毛シャンプーの発毛剤効果期待できる?
前述したとおり、「育毛」と「発毛」はその目的や作用が違います。
そのため育毛シャンプーには発毛成分であるミノキシジルやフィナステリドが含まれていませんので、発毛剤と違って発毛効果は期待できないでしょう。
また進行性のAGAを発症している状態では、シャンプーなどのセルフケアのみで症状を抑えることは難しいです。
進行する症状にお悩みの方は、育毛シャンプーはあくまで「頭皮を清潔にし環境を整える」ための物という認識で使用し、専門のクリニックで治療の相談をされることをお勧めします。
発毛剤・育毛剤|違いによる使い分け
前述した通り、発毛剤は発毛を目的としており「ミノキシジル」や「フィナステリド」といったAGA(男性型脱毛症)の改善に有効とされる成分が含有されています。
そのため「すでに頭皮が見えてしまっている」「1日に抜ける髪の量が増えている」など症状がすでに進行してしまっている方向けです。
育毛剤は「育てる」ということを目的としているため、今ある髪を健康に保つということが主な役割となります。「医薬部外品」の分類で頭皮を清潔に保つことや、抜け毛が増える要因を緩和し維持をしていくのです。
発毛剤・育毛剤|副作用も違う?
育毛剤や発毛剤の使用で起こる副作用については、育毛剤か発毛剤かより含まれる成分が何なのかで副作用も変わります。
- 頭皮のかゆみや炎症
- 動悸やめまい
- 頭痛
- 循環器系への影響
- 男性機能の低下
- 性欲減退
- 肝機能障害
副作用の症状が現れたときのためにも、使用中や使用を検討している育毛剤や発毛剤にどういった成分が含まれているかを把握しておくことは重要です。
育毛剤と発毛剤は併用可能?
育毛剤と発毛剤との併用はおすすめできません。
確かに発毛剤によって新しい髪の毛を増やし、育毛剤で育てると良いのではないかと思われますが、複数の薬剤を同時に使用することは避けた方が良いです。
薬の成分によっては互いの相性が悪く、効果を阻害したり半減させてしまうものがあります。また薬が重複することにより過剰摂取となってしまうと、副作用のリスクが高まり皮膚トラブルなど様々な悪影響を引き起こしかねないのです。
AGA治療には時間と根気を要します。効果がなかなか実感できなくても、焦らず育毛剤や発毛剤の用法容量を守って活用していきましょう。
発毛剤と育毛剤の効果を促進するには
発毛剤や育毛剤を効果を更に高めるためには、「頭皮の状態を良好に保つ」ということがたいせつです。
ヘアケアやシャンプーなどをうまく利用して頭皮を清潔な状態に保たないと、せっかく塗布した発毛剤、育毛剤の成分の効果を充分に発揮させることができません。
そして、バランスの取れた食事と充分な睡眠を習慣化することも大切です。暴飲暴食は避け、時間だけでなく質にもこだわった快眠が習慣化されれば、頭皮の栄養不足が改善されます。
また、過剰なストレスは頭皮だけでなく全身の血流低下を招く原因となります。
育毛剤や発毛剤の効果を促進することは、身体そのものの健康のためにもなるのです。
発毛と育毛|クリニックでの治療方法は違うの?
フィナステリド「プロペシア」で薄毛の進行を予防
AGA治療薬「プロペシア」に含まれる抜け毛を防ぐ成分が「フィナステリド」です。
現在、海外でも使用されているAGA治療薬でヘアサイクルを整えて成長期中の脱毛を防ぐことで、しっかりとしたコシとツヤのある髪の毛を生えさせる効果があります。
そしてヘアサイクルを狂わせる原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑制することでAGAの進行を遅らせます。
フィナステリドの副作用は?
- 性欲減退
- 勃起不全
- 肝機能障害
主に性機能に影響がある理由として、フィナステリドにはジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する作用があるためです。
「ミノキシジル」で髪の成長を促進
血流が滞ると、毛母細胞の分裂によって髪を押し上げる段階に入るよりも前に「エネルギー源」になる栄養素を届けることが困難なため髪が育ちにくくなるという現象が生じます。
ミノキシジルは頭皮の血管を拡張し血流改善することで安定的に栄養素を届け発毛を促すのです。また毛母細胞を刺激し活性化させ、細胞の増殖を促進させることでヘアサイクルを整えます。
ミノキシジルの副作用は?
厚生労働省の「ミノキシジルのリスク区分」によれば、およそ8.82%の発症確率があると報告されています。しかし、これまでミノキシジルの副作用に重篤なものはほとんど確認されていないです。
また市販されている育毛剤や発毛剤に含有される成分の量は、クリニックで処方されるものより少ないので、よりそのリスクは低くなると考えられます。
もちろん副作用の発生の可能性はゼロとは言えませんが、過剰に神経質になる必要はないでしょう。
発毛剤と育毛剤の違いのまとめ
- 発毛剤と育毛剤はそれぞれ役割が異なる。
- 副作用の主な症状は含まれている成分によって変わる。
- 発毛剤と育毛剤の併用のように、同時に複数の薬剤を使用しない。
今回は「発毛剤と育毛剤の違い、使い分け方や副作用」について解説してきました。市販の発毛剤や育毛剤を使っているのに問題が解決しない場合は専門のクリニックに相談しましょう。
クリスタル美容外科では無料相談も行っています。
薄毛、抜け毛のご相談はクリスタル美容外へお気軽にお問い合わせください。