AGA

【医師が教える】円形脱毛症の種類!AGA (FAGA/FPHL)の違いとは?

円形脱毛症

最近AGAの治療が一般化してきていますが、中には円形脱毛症とAGAの違いが分からないという方も多いと思います。今回は円形脱毛症とAGAの違いを、メカニズムからわかりやすく解決していきます。

円形脱毛症とは?

脱毛症

円形脱毛症とは漢字のとおり、頭のある部分が円形や楕円形に脱毛してしまう症状です。脱毛時に特に痛みを伴うといったことはなく、急に髪の毛が大量に抜け落ちるのが特徴です。あまりの突然さに、自分では気づかないというケースも珍しくありません。

脱毛する部分は1箇所だけというわけではなく、場合によっては複数箇所、また脱毛部分同士が繋がり広範囲で髪が抜け落ちることもあります。

円形脱毛症とAGA (FAGA,FHPL)の違い

円形脱毛症とAGAはまったく違う症状ですが、どうやって見分ければ良いのでしょうか?ここでは違いやメカニズムを解説していきます。

メカニズム

円形脱毛症は、主に自己免疫疾患などによって起こるといわれています。成長期の毛包がリンパ球からの攻撃で壊れてしまい、毛包が縮んで休止期のようになってしまうことが原因とされています。※日本皮膚科学会

一方AGA(男性型脱毛症、主に男性ホルモンの働きによって起こります。したがって男性特有の症状です。また、年齢が上がるごとに発症率は高くなります。

AGAの女性版でFAGA (FPHLとも呼ばれる)という症状もありますが、これもホルモンが関係していると言われており、円形脱毛症とは違う脱毛症です。

髪の抜け方

円形脱毛症の特徴として、急に大量の髪の毛が抜け落ちます。痛みはなく、その突然さから、「他人に言われて初めて気づいた」という人も多いです。徐々に髪が薄くなるといったことはありません。

一方、AGAは徐々に進行していくのが特徴です。主に、生え際や頭頂部から薄くなっていき、時間をかけて全体に広がっていきます。

FAGA (FHPL)も徐々に薄くなっていく点は同じですが、AGAに比べて頭全体が薄くなっていくのが特徴です。

女性や子供も発症する

円形脱毛症に年齢性別は関係ありません。したがって、女性や子供でも発症しますし、実際に患者の約25%が中学生以下とも言われています。女性に関しては産後に発症するケースも多いです。

一方、AGAは成人男性の症状で、基本的に女性や子供がなることはありません。逆にFAGA (FHPL)は、女性の症状なので男性がなる可能性は低いです。

AGA/FAGAは、ホルモンに関係ある症状なので、子供の発症確率は非常に低いといえます。

円形脱毛症の種類

チェック

円形脱毛症にも種類があります。ここでは、1つ1つ紹介していきます。

単発型円形脱毛症

単発型円形脱毛症とはその名の通り、頭のある1箇所に円形または楕円形の脱毛が起こる症状です。この症状は円形脱毛症の中でも軽度なもので、1年以内に80%の患者さんが治癒するといわれています

場合によっては、2つ目、3つ目と症状が悪化する場合もありますので、1箇所だからといって油断はできません。

多発型円形脱毛症

多発型円形脱毛症は、頭の複数箇所に円形または楕円形の脱毛が起こります。同時に起こることもありますが、単発型円形脱毛症が悪化して発症するケースが多く、再発しやすいという特徴もあります

それぞれの脱毛箇所がくっつくなどして、脱毛範囲が広くなると、すべての髪が抜け落ちるということもあります。

蛇行型円形脱毛症

蛇行型円形脱毛症は、側頭部や後頭部の生え際が(蛇のように)帯状に抜ける症状です。

円形や楕円形に脱毛した部分が複数となっていき、この蛇行型の円形脱毛症になるパターンが多いです。

全頭型円形脱毛症

漢字の通り、頭全体の髪が脱毛するのが全頭型円形脱毛症です。多発型円形脱毛症が発展し、発症する場合が多いです。

この症状は自力での治療が難しいと言われているので、すぐに専門の医師に相談することが大事です。

汎発型円形脱毛症

汎発型円形脱毛症は、髪だけではなく、全身の体毛が抜け落ちる症状です。円形脱毛症の中でも一番重いとされており、ひげや脇毛、眉毛やまつげなども抜け落ちます。治療は困難で時間がかかるので、まずは病院に行くことが大事です。

円形脱毛症の考えられる原因

理由

円形脱毛症の原因は完全にはわかっていませんが、以下が有力とされています。

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは、免疫機能が異物と自分に体を勘違いして攻撃することをいいます。基本、免疫は外からの異物を攻撃し体を守る役割をしていますが、何らかの理由で自分の体が攻撃対象になってしまうのです。

円形脱毛症は、免疫が毛根を攻撃することで髪の毛が急に抜け落ちる症状です。

疲労やストレス

疲労やストレスは円形脱毛症の直接の原因というより、円形脱毛症を引き起こす疾患を起こす大きな要因一つという位置づけです。疲労やストレスにより、ホルモンバランスが崩れたりと体に負荷がかかり続ける状態が続くと、自己免疫疾患を始めとする疾患を起こしやすくなります。

生活習慣を見直しや、飲酒・喫煙を抑えることが大事になってきます。

アトピー性疾患

はっきりと証明されたわけではありませんが、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアトピー性疾患(既往歴)も円形脱毛症の原因と言われています。

円形脱毛症患者の約4割はアトピー性疾患の既往歴があり、患者の50%以上の家族にアトピー性疾患の既往歴を持つ人がいるというデータもあります。

遺伝的素因

円形脱毛症は遺伝的があるというデータもあります。両親が発症している場合、その子供が発症するリスクは一般人に比べて10倍、また家族内に円形脱毛症を発症した人がいる場合、約3割の確率で他の人も発症するとも言われています。

さらに一卵性双生児の片方が発症した場合、もう片方が発症する確率は55%というデータもあります。

ただ家族内に発症した人がいても、必ず発症するわけではないので敏感になりすぎる必要はありません。

膠原病や甲状腺疾患

円形脱毛症の患者さんの中には、膠原病と甲状腺疾患も発症している場合があります。この場合は、微熱や倦怠感を伴うことが多いので、医師にその旨を伝えましょう。

円形脱毛症の治療法

医者

局所免疫療法

局所免疫療法とは、1言でいうと免疫の異常を抑えるための治療です。具体的には、脱毛している部分に、かぶれを起こす薬品を意図的に塗り、軽度の炎症を繰り返し起こします。頻度は2週間に1回程度行います。

最も有効な円形脱毛症治療とされており、60%以上の有効性があるだけではなく、小さな子供や重度の場合でも効果的です。

ただ、アトピー性の疾患をお持ちの方は、かぶれがひどくなる可能性があるので、必ず医師の指導のもと行うようにしてください。

同様の治療として、紫外線(PUVA)療法や雪状炭酸圧抵療法と呼ばれる療法も存在します。

ステロイドの局所注射

ステロイドの局所注射は脱毛部分が狭いときに有効な治療法です

ステロイドの局所注射は、ステロイドと呼ばれる免疫機能を抑える成分を脱毛部分に注射する治療です。注射した部分からの発毛が期待できます。副作用として、注射時に痛身を伴うことと、注射する部分が凹んでしまう場合があるので注意が必要です。

HARG(ハーグ)療法

HARG療法は、円形脱毛症やAGAだけではなく、すべての薄毛・脱毛治療に有効とされる治療です。ビタミンを始めとする育毛成分を頭に注入することで発毛を促します。

軽度から重度の患者さんまで対応できる療法になっています。

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内服薬(飲み薬)

脱毛初期で範囲が狭い場合は、グリチルリチン、セファランチン、ステロイドなどの内服薬も効果があると言われています。ただこれでも良くならない場合は、他の治療法に移行する必要が出てきます。

ステロイド/ミノキシジルの外用

ステロイドを脱毛部分に塗布する治療です。これも症状が比較的軽めで、脱毛初期の患者さんに効果があるとされています。

ミノキシジルはAGA治療で使われる成分で、毛母細胞を刺激することで髪の毛を活性化、成長させる効果があります。円形脱毛症でも効果があることがあります。

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かつらの着用

かつらは根本的な治療につながるわけではありませんが、患者の精神的ストレス緩和の部分で大きな役割を担うでしょう。かつらは脱毛部分を隠す以外にも、紫外線からその部分を守る役割も果たします。

円形脱毛症かどうか?以下をチェック

ここまで円形脱毛症について解説してきましが、まとめると以下の5点が円形脱毛症の特徴になります。このどれかに当てはまるなら、円形脱毛症の可能性が高いです。もし当てはまる項目が多い場合はなるべく早く専門の医師に相談しましょう。

チェック項目
  1. 髪の毛が一気に抜ける
  2. 気づかないうちに脱毛
  3. 脱毛範囲が円形や楕円形
  4. 爪の表面にへこみが現れる
  5. アトピー性疾患がある

円形脱毛症やAGA (FAGA/FPHL)治療ならクリスタル美容外科で

今回は円形脱毛症について解説してきました。繰り返しになりますが、円形脱毛症はAGAとはまったく別物です。自分でもある程度判断できるかも知れませんが、治療の事を考え、医師に相談することをお勧めします。

クリスタル美容外科では、AGA治療からHARG治療など様々な治療をご利用いただけます。円形脱毛症やAGAかも?と思ったら、まずはお気軽に無料相談ください。オンライン診断も可能です。

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監修 : 米虫 隆貴 こめむし たかよし
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