みなさんは薄毛の進行の仕方にいくつか種類があることをご存じでしょうか。主な進行パターンとしてはU字ハゲやM字ハゲ、O字ハゲと呼ばれるものがあり、いずれも早期の対策が肝心です。
また、これらの特徴を知ることができれば、薄毛の早期発見にもつながることでしょう。今回は特にU字ハゲに焦点を当て、その特徴や対策など詳しく解説していきたいと思います。
Uハゲとは？
U字ハゲとは、前頭部（生え際）から頭頂部（つむじ）にかけて薄毛になっている状態のことです。
進行すると側頭部や後頭部の髪の毛は残るので、頭上から見たときにU字になって見えることからU字ハゲと呼ばれています。
U字ハゲでは薄毛が広範囲にわたるため、ハゲている印象が強くなってしまうのが特徴です。
M字ハゲとO字ハゲとの違い
M字ハゲとO字ハゲとの違いについて説明する前に、まずはそれぞれについておさらいしましょう。
M字ハゲ
M字ハゲは前頭部の両サイドから頭頂部にむかって薄毛になっている状態のことです。正面から見た時に生え際がM字に見えることから、このように呼ばれています。
O字ハゲ
O字ハゲとは、頭頂部から円状に薄毛が広がっている状態のことです。頭上から見ると、O字のように薄毛が広がっていることからこのように呼ばれています。
鏡でも自身のつむじを見ることはあまりないので、家族などに指摘されて気づことが多いようです。
U字ハゲ
M字ハゲもO字ハゲもそれぞれ特徴がありますが、U字ハゲはこの2つが同時に起こっている状態です。
そのため、これらに比べて薄毛の範囲が広く、最も深刻なタイプの薄毛と言われています。
U字ハゲの原因
ここでは、U字ハゲの原因を解説していきます。
AGA（男性型脱毛症）
U字ハゲの主な原因はAGA（男性型脱毛症）であると言われています。
AGAは遺伝や男性ホルモンなどによって発症する脱毛症です。
AGAは以下のようなメカニズムで発症します。
- 男性ホルモンのテストステロンが頭皮の5αリダクターゼと結合
- 悪玉男性ホルモンであるDHT（ジヒドロテストステロン）に変換される
- DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれる
- 脱毛因子を生み出され、薄毛が進行する
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型が存在するのですが、AGAに大きく関与している5αリダクターゼⅡ型は前頭部や頭頂部に多く存在しています。そのため、AGAでは前頭部と頭頂部に薄毛が進行するのです。
生活習慣の乱れ
偏った食事や睡眠不足、過剰なストレスなどの生活習慣の乱れは薄毛を引き起こす恐れがあります。
髪の成長にはタンパク質や亜鉛、ビタミンなどの栄養素が必要不可欠です。食生活が乱れるとこれらの栄養素が十分に摂取できず髪に栄養が供給されなくなってしまいます。
睡眠不足が続くと頭皮の血行が悪くなります。すると、髪に必要な栄養素が運ばれにくくなるので薄毛を引き起こしてしまうかもしれないのです。
また、過度なストレスも頭皮の血行を悪くしてしまいます。これらの生活習慣は日頃から意識して改善していくことが大切です。
間違ったヘアケア
間違ったヘアケアをすると頭皮に負担がかかってしまい薄毛の原因となることがあります。
髪に良さそうだと思ってやっていることが、実は薄毛の原因になっていることもあるかもしれません。
特に、以下のようなことは髪に良くないので、できるだけしないようにしましょう。
- 洗浄力の強いシャンプーの使用する
- シャンプーで洗った後のすすぎの時間が短い
- シャンプーを1日2回以上する
- 高温のシャワーで髪を洗う
これらのことは、すぐに実践できるのでまずやってみましょう。
U字ハゲ治療
ここではU字ハゲの治療方法を紹介します。
投薬治療
AGAの改善には、投薬による治療が勧められています。AGA治療薬には発毛効果のある「ミノキシジル」や抜け毛を防ぐ効果のある「フィナステリド」などがあり、AGAを根本から改善することができます。
AGA治療薬にはいくつか種類があるので、各々の薄毛の状態に合った薬で治療することが可能です。
なお、投薬治療の効果を実感できるまでには約6か月かかると言われており、すぐに薄毛が改善されるわけではありません。また、途中で治療を中断してしまうと再びAGAが進行し、髪が治療前の状態に逆戻りしてしまいます。
そのため、AGA治療薬は継続して使用する必要があるのです。
メソセラピー/HARG治療
メソセラピーやHARG治療とは、頭皮に直接薬剤を注入することで発毛を促す効果が期待できる治療法です。
薬剤の注入にはどちらも注射器で行われることが多いですが、メソセラピーでは針付きのローラーや炭酸ガス、レーザーなどで注入することもあります。
どちらも似た治療法ですが、この二つの一番の違いは配合されている薬剤の成分です。
メソセラピーでは主にミノキシジルや成長因子、ビタミンなどが含まれています。ただ、クリニックごとに配合されている成分は違うので、成分が気になる方はクリニックに直接確認すると良いでしょう。
HARG治療では「HARGカクテル」と呼ばれる薬剤を使用するのですが、このHARGカクテルは日本医療毛髪再生研究会によって配合成分が決められています。
また、HARG治療は日本医療毛髪再生研究会から認定されたクリニックでのみ行える治療法となっています。
植毛
植毛には自身の髪を移植する「自毛植毛」という方法があります。移植する毛髪は薄毛になりにくい後頭部や側頭部から採取されます。
自毛植毛のは以下のような特徴が挙げられます。
- 移植による拒絶反応が起きにくい
- 一回手術をすればメンテナンスをする必要がない
- 自然な仕上がりになる
しかし、U字ハゲの場合は最善な改善法とは言えません。
なぜなら、U字ハゲは広範囲に渡って薄毛が進行するため、それを補うための十分な量の移植毛が必要となってくるからです。
自分でできるU字ハゲの対策
生活習慣の見直し
食生活も乱れや睡眠不足、過度なストレスなどを日頃から改善することで抜け毛を防ぐことができるかもしれません。
食生活
抜け毛を減らすためには栄養バランスのよい食事を摂ることが大切です。
先述したように、タンパク質や亜鉛、ビタミンなどの髪に必要な栄養素を摂取し、暴飲暴食を避けるようにしましょう。特に脂を摂りすぎると、頭皮に過剰な皮脂が溜まることで頭皮環境の悪化を招きます。
睡眠
基本的には毎日7～8時間ほど睡眠できると良いと言われています。
また、髪の成長に欠かせない成長ホルモンは睡眠中に分泌されるので、睡眠時間はしっかりとりましょう。
ただ、睡眠の時間帯がバラつくと、副交感神経の活動効率が低くなり、成長ホルモンが分泌されづらくなってしまいます。
なので、夜更かしや昼寝はできるだけ避けて、髪のために良質な睡眠をとれるようにしましょう。
ストレス
ストレスとAGAの直接的な関係は明らかになっていませんが、髪の毛の発育に悪影響をもたらすのは確かでしょう。
趣味を満喫したり、心と体を休ませる時間をとったりし、ストレスをためすぎないようにしましょう。
ヘアケアを見直し
薄毛にならないためには、日頃から正しいヘアケアを行うことが大切です。
以下のような正しいヘアケアを心がけましょう。
- ぬるま湯で洗い流す
- 低刺激のシャンプーを使用する
- すすぎ時間はシャンプーで洗ったときの3倍を目安にしっかり洗い流す
- シャンプーは1日1回までの使用にとどめる
そして、洗髪には髪に良いとされる手順があります。
以下の手順で毎日洗髪できるとよいでしょう。
- 洗髪の前にブラッシングをして、洗髪時に汚れを落としやすくする
- ぬるま湯で髪を軽く洗う
- 手でシャンプーを泡立て、爪を立てないよう指の腹やさしく洗う
- すすぎ残しのないよう、シャンプーの3倍の時間を目安にしっかり洗い流す
少しでも薄毛の心配がある方は、今日からこの手順で洗髪してみてはいかがでしょうか。
育毛剤の使用
育毛剤は頭皮に直接塗ることで、抜け毛を予防する効果が期待できます。
育毛剤には頭皮の血行を促進させたり、頭皮に栄養を与えたりする作用があります。これによりハリやコシのある抜けにくい髪を成長させることで抜け毛を防ぐのです。
「薄毛が起こる前に予防したいな」「少し薄毛が気になってきたな」
このように思っている方は育毛剤の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
U字ハゲおすすめの髪型
では、U字ハゲになったらいったいどんな髪型にすればよいのでしょうか。
結論から言うと、短髪の髪型がおすすめです。短髪の髪型には、ベリーショートやスキンヘッド、ツーブロックなどがあります。
これらの髪型は前頭部や頭頂部の髪を長くせずに、後頭部や側頭部の髪を短くできるのでU字ハゲを目立ちにくくすることができます。
U字ハゲはこの髪型はダメ
U字ハゲは無理に隠そうとすると不自然に見えてしまいます。
例えば、側頭部や後頭部の髪を前に集める髪型は、不自然な印象を与えてしまいます。
鏡でセットした時は悪くないように見えるかもしれませんが、他人から見たときにハゲが隠しきれていなかったりすることがあるのです。
鏡で正面から見たときの印象と、後ろや斜めから見た時の印象は異なるので、髪型を決めるときは客観的な視点も意識するようにしましょう。
また、U字ハゲではロン毛もあまりおすすめできません。ロン毛にすると、逆に薄毛部分が強調されてしまうかもしれないのでやめた方がよいでしょう。
U字ハゲに悩んだら医師に相談しよう
U字ハゲの主な原因はAGAによるものだと言われています。AGAを改善するためには専門のクリニックを受診し、薬で治療することが勧められています。
専門のクリニックでは初診カウンセリングを行っているところが多いです。薄毛が少しでも気になるようでしたら気軽に専門の医師に相談してみてはいかがでしょうか。
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