「ピルを服用すると抜け毛が増えるって本当?」「ピルと抜け毛ってどんな関係があるの?」このような悩み、疑問について解説します。
結論、ピルによって抜け毛が増えることがあります。
その原因は、ピルによって一時的に増えた女性ホルモンの量が、ピルの服用を止めることで通常の量に戻るためです。つまり、ピルそのものが直接抜け毛の原因ではないと言えます。
そんなピルと抜け毛について、今回の記事では主に以下について解説しましょう。
- ピルとは?その効果は?
- ピルと抜け毛の関係
- 薄毛治療と相性の良いピルとは?
ピルは女性ホルモンの存在が密接に関わり、髪の毛もまた女性ホルモンと関係があるのです。今回の記事読むことで、両者の関係について理解を深めていただければと思います。
ピルとは?
ピルとは、経口避妊薬のことです。卵巣ホルモンと黄体ホルモンと呼ばれる、2種類の女性ホルモンが主成分となっています。服用によって避妊効果を期待でき、避妊率はほぼ100%。その他生理痛や整理不順などの症状を緩和する効果を期待できます。
また、ピルの服用は1サイクル28日とされています。21錠を毎日服用し、残り7日間は休薬期間。服用せず過ごします。
休薬期間を設ける理由は様々ですが、大きくは卵巣の活動を再開させるためです。服薬中は卵巣の働きを止めるため、卵胞は育たず排卵も起こりません。つまり、休薬期間を設けることで、卵巣を正常に活動させる必要があるのです。
ただし、服用するピルのタイプによって服用期間は異なります。目的に合わせて、ご自身に適したピルを選びましょう。
ピルの働きとは?
ピルには避妊効果を期待できます。服用すると卵巣を休ませ、排卵を抑えることで避妊効果を得られるのです。また、服用を始めて約1週間を目安に避妊効果が現れます。
さらに、避妊以外に得られる効果がピルにはあるのです。
例として以下が挙げられます。
- 月経量が減る
- 月経周期の改善
- 貧血改善
- 生理の症状(腹痛、頭痛、腰痛など)を軽くする
- ニキビ、肌荒れの改善
ピルの服用によって、生理痛やストレス軽減も期待できるのでそういった目的で飲む方もいます。
ピルの世代別による効果と副作用
ピルは「世代」によって分類されます。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の種類と開発順によって、下記を参照に、第1世代〜第4世代で分類されます。
- 第1世代(ノルエチステロン)
- 第2世代(レボノルゲストレル)
- 第3世代(デソゲストレル)
- 第4世代(ドロスピレノン)
世代毎に得られる効果と副効用は異なり、世代が進むにつれ黄体ホルモンの働きが強まるのです。
第1世代
ノルエチステロンと呼ばれる黄体ホルモンを使用しているピルです。不正出血の防止や月経困難症を抑える作用があります。
主な薬剤は以下があります。
- シンフェーズ
- フリウェル
- ルナベル
※ルナベルはさらに「LD」「ULD」で分かれ、女性ホルモンの量に違いがあります。
- LD=LowDose(低容量ピル)
- ULD=UltraLow Dose(超低容量ピル)
医師と相談の上、ご自身に適したピルを服用しましょう。
第2世代
レボノルゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンを使用しているピルです。
不正性器出血(月経以外の性器からの出血)が起こりにくく、生理周期をコントロールしやすい特徴があります。
主な薬剤は以下の通りです。
- トリキュラー
- ラベルフィーユ
- ジェミーナ
第2世代の中ではジェミーナのみ医師による判断の下、保険適用が認められます。保険適用が認められるのは月経困難症、子宮内膜症の治療を目的とした場合です。
第3世代
デソゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンを使用したピルです。
第1、2世代のピルと比べ男性ホルモンを抑制し、ニキビや肌荒れの改善も期待できます。
主な薬剤は以下の通りです。
- マーベロン
- ファボワール
ファボワールはマーベロンのジェネリック医薬品になります。成分は同じであるため、効果に大きな違いはありませんが、安価で手に入れることが可能です。
第4世代
ドロスピレノンと呼ばれる黄体ホルモンを使用したピルです。
超低用量ピルであり、「抗ミネラルコルチコイド作用」によってむくみにくい特徴があります。
主な薬剤は以下の通りです。
- ヤーズ
- ヤーズフレックス
ヤーズフレックスはヤーズの特徴を含みつつも、月経の回数を減らす特徴を持ちます。つまり、腹痛や腰痛、疲労感などの月経困難症になる状態を防ぐ効果があるということです。
ピルと抜け毛の関係
ピルを服用するこで女性ホルモンの分泌量が増えます。そして、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は健康的な髪を生成する役割を持ちます。
つまり、ピルの服用によって髪の毛が抜けにくく、そして艶の出る体感を得られるのです。ではピルの服用をやめ、エストロゲンの分泌量が減るとどうなるのでしょうか。
ピルやめた後に抜け毛が増えることがある
ピルの服用をやめた後、抜け毛が増える可能性があります。なぜなら、ピルを服用によって合成された女性ホルモンの量が減るためです。
ピルの服用時は女性ホルモンの分泌量が一時的に多くなります。つまり服用をやめてしまうと、女性ホルモンの量が通常状態(ピル服用前)に戻るのです。
抜け毛が多くなったと感じるのは、一時的に抜けにくくなった毛が抜けたためと言えます。このようなピルの特徴を知ることで、不安材料も減り、安心できるのではないでしょうか。
びまん性脱毛症/産後脱毛とは
びまん性脱毛症
頭皮全体の髪の密度が低下してしまう、女性特有の脱毛症です。発症の原因はホルモンバランスの乱れ、減少が挙げられます。
過度なダイエットやストレス、加齢になど様々な要素が女性ホルモンに影響します。
ピルの服用によってホルモンバランスの乱れるのでは?と感じた方がいるかもしれませんが、断言できません。なぜなら、ピルによって一時的に増えた女性ホルモンが減少(元に戻る)するだけなので、ホルモンバランスが乱れたとは言いがたいからです。
産後脱毛
出産後に発症する脱毛症のことです。産後およそ3ヶ月前後で現れる脱毛症で、半年から1年を目安に解消します。
発症の原因は、女性ホルモンの分泌量が産後に急激な変化です。妊娠中は女性ホルモンが多く分泌され、髪の毛が保持された状態が続きます。
しかし、産後は女性ホルモンが急激に減少することから、結果抜け毛が多くなるのです。つまり、ピルの服用を止めた後、抜け毛が増える症状と似ていると言えます。
ピルが抜け毛の直接の原因ではない
ピルと抜け毛は直接的な原因ではないと言えるでしょう。繰り返しになりますが、ピルによって女性ホルモンは一時的に多く生成されます。もちろん、服用を止めてしまえば生成量は服用前に戻ります。
つまり、通常より多く分泌されていた女性ホルモンの量が通常時に戻ることにより、抜け毛が多くなったと誤解されるのです。一時的な抜け毛になるので、過度な心配は不要と言えます。
どうしても気になる場合は医師へ相談しましょう。別の原因によって抜け毛が増えている可能性もあります。
ピルは薄毛(抜け毛)治療に良くない?
ピルと薄毛治療の相性は、一概に悪いとは言えません。ピルと薄毛治療は、それぞれ目的を持って服用と治療を行うため、ピルそのものが薄毛治療によくないとは言えないのです
ただし、服用するピルの種類と薄毛治療に相性の良し悪しがあることも事実です。
実際、第2世代のピルが薄毛治療と相性が悪いと言われています。なぜなら、第2世代のピルは「アンドロゲン」と呼ばれる男性ホルモンを多く含み、男性化症状を強めてしまうためです。
※男性化症状:髪が薄くなる、肌が荒れる、体毛が濃くなるなどの症状
このことから第2世代のピルは薄毛治療との相性は悪いと言えます。
では薄毛治療を進めながらも、服用するべき(相性が悪くない)ピルはどの世代なのでしょうか。
薄毛(抜け毛)治療には第3か第4世代のピル
結論、第3世代または第4世代のピルを服用しましょう。この世代のピルはアンドロゲン作用が弱く、他の世代のピルと比べ、男性ホルモンの増加を抑えられます。
つまり、抜け毛も少なくなり、その他ニキビや肌荒れも起きにくいのです。薄毛治療を進めているにもかかわらず、ピルによって薄毛を促進してしまっては本末転倒です。
薄毛治療時はピルを服用している旨を医師に伝え、ご自身に適したピルを処方してもらうようにしてください。
薄毛(抜け毛)対策
ここまでピルそのもの、そして薄毛との関係性について解説しました。本項では薄毛対策(治療)について解説します。抜け毛にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
FAGA(女性における男性型脱毛症)治療
FAGAとは「女性における男性型脱毛症」です。主な治療法は、「ミノキシジル」「スピロノラクトン」といった薬剤の服薬が挙げられます。
特徴は、髪の毛の分け目が徐々に広がり抜け毛が増える初期症状があり、最終的に頭部全体が薄くなります。主に40〜50代の壮年期に発症するケースが多いものの、20代でも発症することもあるのです。
女性は少なからず男性ホルモンを保持しますが、女性ホルモンによって髪の成長を促し、薄毛を防ぎます。しかし、ストレスや加齢などの原因で女性ホルモンが減ると男性ホルモンの割合が増え、FAGAが発症に繋がるのです。
もし該当すると感じる方は、医師に相談して薬を処方してもらいましょう。
生活習慣の見直し
生活習慣の見直しも薄毛対策に繋がります。具体的には食生活、十分な睡眠、適度な運動、ストレス発散などです。
いずれも不足していると、血行を悪くする原因になります。血行が悪くなると、血の巡りが滞ることで頭皮に栄養が届きにくくなり、薄毛に繋がることもあるのです。
血行の促進を阻害しないためにも、腹八分目までの食事やいつもより30分早く寝るなど、できる範囲で改善していきましょう。日々の積み重ねが薄毛対策に繋がります。
正しいヘアケア
ヘアケアにも注意を払いましょう。シャンプーの仕方、ドライヤーの使い方次第で髪の毛や頭皮にダメージを与えてしまいます。
シャンプーは以下を意識してください。
- 入浴前のブラッシング
- お湯での予洗い
- シャンプーの泡をしっかり泡立てる
- 指のお腹で優しく洗う
- 洗い残しのないようにシャンプーを洗い流す
ドライヤーは以下を意識しましょう。
- 水気をを絞る
- 根本から乾かす
- 冷風で仕上げる
正しいヘアケアによって髪の毛のダメージも減るので、ぜひ意識してください。
ピルを飲んで逆に毛深くなる?
ピルの服用によって、一時的に毛深くなる可能性もあります。実はエストロゲンは髪の毛の成長を促進する一方、体毛全般の成長も促すのです。
つまり、ピルの服用によって抜け毛が少なくなりつつも、全身の毛が一時的に増えてしまいます。
しかし、一時的に女性ホルモンの量がピークを迎えるだけで、永続的に続くわけではないので安心してください。服用を止め、休薬期間を迎えることで徐々に女性ホルモンの量は一定まで落ち着きます。
ピルによる抜け毛は医師に相談
ピルと抜け毛の関係について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。ピルには第1〜4世代まであり、薄毛治療との相性の良し悪しがあることをご理解いただけたと思います。
もしピル服用に伴い抜け毛が増えたと感じた場合、一時的なので過度な心配は不要です。
ただし、抜け毛の問題がピルではない可能性もあります。不安に感じた方は、放置せずに一度医師へ相談するようにしましょう。
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